青葉が茂る頃には・1 ページ7
「あれ、もしかして君、渚学園文芸同好会の…」
午前11時半。自由時間になって、昼食を食べるために弁当を持って本校舎へ向かっている時だった。後ろから声をかけられた。
それって私ー青葉真帆ーのこと?そう思って振り返ると、高等部の制服を着た人がこっちを見ていた。やっぱり私のことだったんだ。
「はい、そうです」
「あ、やっぱりそうか、俺は東海林翔。隼の兄です。えっと…君の名前は…」
「青葉です、青葉真帆」
「ああ、…あの、何て呼べばいいかな」
「別に何でもいいですよ」
「じゃあ『あーちゃん』とか?」
「お、あだ名ですか、いいですね」
私は、おそらく初めての(私公認の)あだ名をつけてもらえて嬉しかった。東海林先輩(と呼ぶことにした)も、嬉しそうな笑顔を見せた。この表情、ショージに似てる…
「ちょっと話があるんだけど、時間大丈夫?」
「これからお弁当食べるので…」
「いや、構わないよ。食べながら話そうか」
「はあ」
「じゃ、行こうか」
私は先輩に言われるがまま、校舎に入っていった。
「あー、飯テロだー」
「先輩は食べないんですか?」
「ああ、1時間後に吹奏楽部で固まって食べるから」
今日の弁当は、よく見るド定番のおかず。卵焼き、ウインナー、スパゲティなどが入っている。
「あー、いいなー」
「…ミートボール食べますか?」
「え?いいの?食べたい」
「どうぞ」
私はピックに刺さったミートボールを先輩に渡す。先輩は喜んで食べ始める。相当食べたかったんだなー…
「先輩、それより話って何ですか?」
先輩はミートボールを飲み込んで話を始める。
「そうだ、本題に入ろう。俺は、あーちゃんに生徒会立候補の話をしに来た」
「え?生徒会?」
「そう、生徒会。あーちゃんが生徒会長になれば学校変わると思って」
「生徒会長、ですか?」
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時