流浪人 飽きっぽい奴編・1 ページ26
なんか飽きちゃったなー。
これは、俺ー大塩慶一郎ーの口癖。俺は、小さい頃から「飽きっぽい」と言われ続けてきた。俺もそう思う。
何でもすぐ飽きて、昨日まで面白いと思っていたものもすぐつまらないと思うようになる。
部活もそうだ。1年の時は水泳部に所属していたけど、飽きて2か月でやめた。泳ぐのも、雑用も、チームも、全部飽きちゃった。嫌になっちゃった。
でも今は、ずっといても飽きない、最高の場所がある。それは、「流浪人会」。主に他の部活の助っ人として活動している。でも部活としては認められていないから、俺は帰宅部ということになっている。変な話だ。
「ヘイちゃーん、今度練習試合あるから、助っ人で来てよ」
野球部の谷に呼ばれて、俺は我に返った。ヘイちゃんというのは、俺のあだ名。歴史の教科書に出てきた、俺と同じ苗字で名前が似ている大塩平八郎という人物から取ったものだ。
「試合?いつ?」
「来週の土曜日、午前の予定」
「その日は…午後からハンドボール部の試合行くけど、午前は大丈夫だ」
「マジ?サンキュ、よろしくな」
「おう、任せとけ」
流浪人のいい所は、これ。色んなスポーツができるから、飽きない。俺は今まで、野球、ハンドボール、水泳や陸上のリレーなどの試合・記録会に出た。ずっと同じ競技をやらなくて済むから、飽きないしお得感もある。
だから、流浪人会は俺にとって「天職」みたいなものなんだ。
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2020年12月18日 22時