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決戦 第一関門 ページ25

「誰だお前は」
新海京也は、天満を見るなり顔をしかめた。高等部に中等部の制服を着た人物がいるのだから、その反応は想定の範囲内だった。
怯むな、ビビッたら負けだ。天満は自分に言いきかせ、新海の問いに答えた。
「浪越天満だ」
「天星の弟か?中坊が何してんだよ」
新海の高圧的な態度にも臆することなく、天満は新海を睨み返した。
「新海京也、あなたを説得しに来た」


「雄一、GO!」
「ラジャー!」
雄一は、花笑の合図でキャスター付きテーブルを押して会議室を出た。ガラガラと外に運び出す音と一緒に、新海と天満が何かを話す声も聞こえる。雄一がバリケードを張る間、花笑は雄一がテーブルを運び出しやすいよう、テーブルをドアの近くに寄せていた。これは、花笑自身を外の新海から守るためでもある。貴大が花笑を新海と接触させないために考えた策だ。
「姉さん、近くにいるから隠れてて」
雄一が小声で伝える。花笑は、雄一が自分を守ってくれているようで、少し嬉しくもあった。


「天星が、ご迷惑をおかけしました」
「何だよ、急に。お前は保護者か?」
「天星が不注意で車にひかれなければ、あなただってこんなことはしなかったでしょう」
「何なんだよお前は!」
新海は、声を荒げた。天満は、それでも怯まない。
「弟は、天星の代わりにあなたが荒れた責任を取る。天星が死ななければ、あなたは荒れなかったから。そのために、あなたから高等部生徒会を守る。絶対に傷付けさせない」
強く、しっかりした口調で言った。これも、相手に見くびられないようにと貴大が教えた話し方だった。
「お前には関係ねえだろ!どけ!」
新海は、天満を押しのけ、第一関門を突破した。それでも天満は、「行くな!行くな!」と叫び続けた。新海は、そんな天満の言葉に耳も貸さず、生徒会室へ向かって行った。

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設定タグ:青春 , 学園 , 友情   
作品ジャンル:純文学
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作者名:BLUE LEMON 綺 | 作成日時:2021年5月18日 20時

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