I need you！ vol.2 (ページ8)

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One Pair Ⅹ T ページ8

俺のドラマ撮影が終わり、少し余裕ができたので、今日は久しぶりに宮田を乗せてドライブ。

この前のドラマでロケした海辺が、俺と宮田のドラマのロケ地でもあったので、ちょっと思い出巡り。
夕方には、１年振りに俺たち２人のラジオの収録があるから短い時間だけどね。
ま、明日は２人ともお休み貰えたから、デートの続きはお家でゆっくりできる。

またライブがあるから忙しくなるし、宮田はテレビ仕事が目白押しだ。ライブが終われば、夏にある宮田の主演舞台の稽古も始まる。
外デートはなかなか時間が取れなくなるなぁ。

『その服可愛いじゃ〜ん。』
『似合う〜？』
『似合う〜。』

運転しながらあ〜んと口を開けて、ドライブスルーで買ったフライドポテトを口に入れてもらう。
ドライブデートのお楽しみ。運転しながら、宮田にお世話焼いてもらうの好き。

あ、BGMは宮田の好きなアニメソング。と言っても、最近のアニソンはお洒落でカッコイイ。
今期のアニメの説明聞きながらドライブするのも好き。だって、宮田が楽しそうなんだもん。

それにしても…。

『ん〜、そのシャツどっかで着てたよね〜？』

ギンガムにデニム生地を合わせた爽やか系シャツ。黒い上着脱いだら春の海にピッタリ。
そんなお洒落してくると思わないから、俺は黒のトレーナーで来ちゃったぞ。

『去年の雑誌のデート私服特集の為に買ったやつ。今日は、タマとドライブデートだからね。丁度いいから着てきちゃった。』

はぁ！？可愛すぎんか？何それ？？
デートの勝負服着てきたってこと？

『んふふ。気付いてくれるの嬉しいね！なんかテンション上がるわ〜。』

嬉しげにポテトを口に入れる宮田。

いやいや、今、俺のほうが確実にテンション上がってるから！
にやにやしてくるのを必死で抑えて、ハンドルを握る。平常心保たなきゃ！

『お、あの建物！あの辺だよな？』

宮田はそんな俺の疼く恋心を知ってか知らずか、暢気な明るい声を上げた。

『タマのドラマのロケしたのはどの辺？』
『通り過ぎたかなぁ？』
『ぅえっ？早く言ってよ。一緒に写真撮りたかったのに。』
『ん？聖地巡りするの？』

すると、今度は少し俯いて、唇をむにゅんと尖らせる。

『彼女との思い出…上書きしたいなーって。』
『っ！？』

……はい、ノックアウト〜！

俺は、ガンガンに掛かるアニソンを聞き流しながら、一刻も早くキスをする為に車を停める場所を探し始めた。

もぉ、ドライブ最高！！

fin.