Oh！Brothers！ �� K ページ47
青天の霹靂。
俺が俳句タイトル戦で優勝した。
《１位は……北山〜〜〜っ！！！》
放送を観て、思わず吹き出す。
ガッツポーズはしたけど、勝ったのに戸惑ってんの出ちゃってんなぁ。
そりゃそうよ。完全に敗者のコメント用意してたもん。
《やっぱりなぁ…俺が勝つ訳ないもんな》とか
《冬は見てろ！絶対挟んでやる。》とか…。
敗者コメントで、如何に爪痕残すかしか考えてなかったもんよ。
もう何年も出演させていただいている番組で俳句を始めて早や幾年。最初は全くのズブの素人で、俳句と川柳の区別さえ付かず……いや、最初はわざとお笑いへ走ろうとさえしてたわ。
だってあの頃は俺しかこの番組に呼ばれてなくてさ〜、必死だったよ？
だけど、俳句の先生にはすぐ見抜かれた。プロデューサーさんもね。
たった１７音で何を見せるのか。
それからは歳時記をめくり、使いたい言葉があれば付箋に書いて貼っておく。
その内にあるがままを１７音に嵌めてみるようになってきて。
あー、俺も歳喰ったのかなぁ、なんて笑っちゃう。
でも、この番組のおかげで年齢層が上の人にも俺たちを知ってもらえるし、生みの苦しみ含めて純粋に面白くなってきた。
イイことじゃんね？
『北やん、おめでと〜っ！スゲーっ！』
宮田大凡人が拍手で迎えてくれた。スゲェでしょ。エヘン。
『ミツが言葉操るの上手いとは思ってたけど、まさかだよね。』
タマまで褒めてくれた。おほほのほ。
『俳句上手く作れる人尊敬するわ、マジで。頭の中どうなってんの？』
藤ヶ谷、もっと褒めてん。
『スゴイわ。俺なんか、もう俳句分からんもんっ。みんなさ、教えてよ！』
ニカ、君はセンスを磨け？
『…でも、問題はこっからなんだよね。』
あら？千賀さんから雲行きが怪しくなった？
『１回優勝してからが困難の道のり…評価が厳しくなるからにゃ。』
肩に肘乗っけるなよ、横尾さん。
『《まぐれだったわ〜！》はさぶいもんね？』
おっと、千賀まで肘乗っけるな！
ニヤニヤし出した俳句上位組。
クスクス笑い出した俳句下位組。
『コツコツやりますよ〜だ。』
俺も笑った。
１０年前には想像もしてなかった《俳句アイドル》という称号が付きましたからね。ヤンチャ野郎からえらく出世したもんだ。
これから先だって、まだまだ俺たちは変わっていく。
さて、今度はどんな俺になるのか。
俺たちはどんなグループになるのかな。
あ〜、明日の俺に会うのが、また楽しみになったぜぃ。
fin.
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作者名：みあん | 作成日時：2021年5月11日 23時
