〃『冬は嫌いでした2』 ページ37
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朗らかな笑いに、そうだね私ウソつきかも。
鼻声はすぐバレたらしい。横でしゃがみ机に手をついたのがなんとなくわかった。
「うーん。顔見せてほしいぜ」
「なんで?」
「Aのね〜ちゃん、お願い。こっち見て」
声は落ち着いていて真っ直ぐ。ぼたりと涙を流しながら君を見た、私の後ろに夕暮れ。見開かれた瞳がオレンジに輝く。
きれいと言いかけて、あれ、なんでだ、口は開いてるのに声が出ない──熱い。彼が見えない近すぎる。私に覆いかぶさる身体はこんなにも大きかっただろうか?身長は10センチも変わらないのに、ほんと、男の子だ。
「なんで泣いてるのかオレにはわかんないけど、ね〜ちゃんが悲しいとオレも悲しいんだぜ」
こればっかだけど「なんで」としか言えない。言うしかない。期待してしまう、君の口からあたしの気持ちが出ないか。
まあそんなことはなく、唸ってからなんでだろうって本当に不思議そうに言うからおかしくて笑ってしまった。
「光くんはあったかいね」
すき。だいすき。この胸の熱が、君に伝わればいいのに。少し速い心臓の音も全部。
チャイムが鳴ったら良い子は帰る時間だ。もうちょっとだけ悪い子でいさせて。
「ね〜ちゃんは冷たいぜ!オレがあっためたげる!ぎゅうぎゅう〜☆」
貴方が温めてくれるなら、あたしは冷たいままがいい。
*
鳴上嵐『指輪とは呼べないのにね1』(砂糖少なめ)→←天満光『冬は嫌いでした1』(砂糖少なめ)
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理音(プロフ) - ☆アスカ☆さん» こんばんは!お返事遅れて申し訳ありません。了解しました!遅くなるとは思いますがそれでも良ければ書かせていただきます、ありがとうございます。 (2019年11月20日 22時) (レス) id: 8e86f2162d (このIDを非表示/違反報告)
☆アスカ☆(プロフ) - こんばんは(^-^)/リクエストします。レオ君相手で内容はおまかせで涙多めと砂糖多めの二種類お願いしますm(._.)m (2019年11月12日 19時) (レス) id: bf7dd3bfe3 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - ヒナコさん» ありがとうございます!!実はコメント頂いた日にヒナコさんの有り難い言葉を見まして、天満光くんのお話を書きました。大好きだとずっと読んでると言ってくださり、そして長らく更新していなかったにもかかわらずコメントしてくださりありがとうございます! (2018年12月14日 22時) (レス) id: 8e86f2162d (このIDを非表示/違反報告)
ヒナコ(プロフ) - 今でもこの短編集大好きでずっと読んでます! (2018年12月9日 16時) (レス) id: 2c23b98d04 (このIDを非表示/違反報告)
理音(プロフ) - イカさん» えええめちゃくちゃ嬉しいです!!ありがとうございます!!!書きたいなと思っているキャラがいるのですがその人のストーリーをあまり読んでいないのでとても遅くなると思います。あまりに遅くなる場合は他のキャラで書きますので気長にお待ちいただければ嬉しいです! (2018年5月31日 18時) (レス) id: d0426cb47b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:理音 | 作成日時:2016年10月30日 21時