検索窓
今日:10 hit、昨日:12 hit、合計:47,684 hit

ー6ー ページ6

足が止まったのはしばらくしてからで、会長はふうっと息をついていた
ちなみに私は肺活量はあるが、体力はそこまでないので乱れた息を整えていた
膝も笑っていて思わず座り込む
…水泳同好会とはいえ作曲の為に水に潜ってるだけだからなんて言い訳を並べて置く




祥)ふふ、必死に走ったから涙も出ないだろう?



A)気が付いてたんですか?



呼吸が正常になってから、私は会長を見上げた。病弱の彼でも最近は調子がいいようで涼しい顔をして私を見ていた



祥)僕も帰ろうと思って、昇降口に向っていたんだ。そしたら会話が聞こえてきてね
彼の妹に君が嫉妬してるのが分かったんだ





そこまで気が付かれていると、私も笑うしかない
そんなに分かりやすかっただろうか




A)おかしいですよね。家族に勝るものなんてないのに





祥)そんなことないよ。だって君の感情は嫉妬だけじゃない、むしろそれよりも





会長はそこでしゃがみこんで私の視線の高さに合わせてきた




祥)…寂しかったんだろう








ポタリ




スカートの一か所が少し色濃くなった





A)違いますよ




祥)苦しい言い逃れにもなってないよ




A)目が乾いただけです





祥)意地張らないで。素直に声をあげて泣いてもいいんだよ






優しいその声音に、ぐっとこみあげてくるものがあったが
これ以上泣くわけにはいかないと頑張って笑みを作ろうとする


だけど




祥)無理しなくていいんだよ。君まで彼のように壊れなくていい






一粒こぼれてしまった涙はもう止まり方を知らない

ー7ー→←ー5ー



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (72 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
118人がお気に入り
設定タグ:あんスタ , 番外編 , あんさんぶるスターズ   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:♪護♪ | 作成日時:2017年3月15日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。