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それは本当に偶然だった。
帰り道を零と二人で歩いているとどこからかミーっミーっと可愛らしい鳴き声が聞こえてきたのだ。
A)子猫かな
零)ふむ、そこじゃの
零は顎に手を添えていたかと思うと、おじいちゃんだとうそぶく人から出てくる力とは思えないくらい俊敏に、近くの公園の木に登って…そして何かを持って戻ってきた
零)あ”?いってぇな…大丈夫だからひっかくんじゃねぇよ
A)あーあー俺様ちゃんでちゃってるよ。
腕に大事そうに抱えられたのは鳴き声からしてさっきの猫。やはり子供のようだ
そして…
零)これってことは間違いねぇな
A)そっか…突然一人になったんだね、怖かったよね。ごめんね大丈夫だよ
猫)ミーっ
零は子猫とともに持ってきた段ボールにはられた紙を見せてくれた。けど飼い主さんにも罪悪感はあっただろうし、見えない誰かに怒りを向けても仕方がない
とりあえず今はこの子を見つけることができてよかった
子猫は長毛で手入れをしてあげればきっともふもふの毛並みだと思う
これからの夏には厳しそうな量でもある
零)こいつどうすんだ?里親探すか?
A)いや、私が引き取る
幸いなことに家族全員猫が好きだ。
それに両親が共働き、私も学校ということで普段一人で家にいるおばあちゃんがいる。この子ならきっと話し相手になってくれるだろう
なんて私と零の間で考えていてもこの子は人間不信かもしれないしとりあえず安心させてあげないとなんて決心して手を近づけると
猫)ミーミー!
零の腕の中で暴れまわってた子猫は、私の手にすり寄った
A)んん?
零)なんでじゃ、なんでAには懐くのじゃ
助けたの我輩なのにぃ…っとおいおい泣きじゃくる零に対し、そんなの知らないというように私の腕へと飛びついてきた
その姿がどことなく彼に似ていて…苦笑いがこぼれた
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作者名:♪護♪ | 作成日時:2017年3月15日 2時