先輩の義務 ページ9
「じゃあ早速朔間先輩の所に」
「ま、待て。それはちょっと待て、うん」
立ち上がろうとするあんずを必死に止めて座らせる。
あんずや他の3人も、訝しげな視線を俺に向けてきた。
うん、みんな、不審がる気持ちは良くわかる。よおく分かるぞ。
でもちょっと待ってくれ。それでは困るんだ。
ああああ、どうしよ。どうすればいいんら？
俺には責任がある。皆を止めなきゃいけない。
でも、この子達に真実を教えるわけには行かない。
だからああするしかなかったんだけど、失敗した。
ていうか焦りすぎたな、俺。
あんずを生徒会室から出すことには成功したけど、それだけだ。
まさかあんずをあいつらに会わせるなんてできるわけないし。
もっと考えてから動くべきだった。俺のバカ。
着信でスマホが震えた。
情けないことに、それだけで過剰に反応してしまった。
電話は、泉ちんからだった。
4人から距離をとってから、通話ボタンを押す。
「・・・もしもし？」
「今どこにいるの」
おいおい、出た途端それかよ。
「それは教えられない。何かあったのか？」
「そこにあんずいるでしょ」
何の感情もない無機質な声に、少し恐怖を覚えた。
分かっちゃいたけど、やっぱりこいつもそうか。
「・・・何で知ってりゅ？」
やべ噛んだ。カッコ悪。
「窓から見えた。詰めが甘いよぉ、なずにゃん」
げ。まあ隠れるにも限界があったしな。
そこは仕方ないとしよう。でも、見つかった相手が泉ちんとは。
「・・・どこまで話したの」
泉ちんが声を落とす。
「・・あんずにも、Ra*bitsの後輩にも、建前の方しか言ってない」
「ふぅん？まあなずにゃんのことだから、すぐには話さないだろうとは思ったけど」
ほんとのこと話したって言ったら、お前ら絶対飛びついてくるだろ。
せっかくあんずを助け出したのに、また危険な目にあわせるわけにはいかない。
「ていうかさぁ、なずにゃんはこれからどうしたいわけ？」
「え？そりゃ、皆を止めて・・」
「解決を望むなら、あんずに真実を伝えた方が早いんじゃない？」
「・・そんなこと出来るわけないだろ。こっちの事情に巻き込めない」
「もう十分巻き込んでるでしょ。それにこの状況を作り出してるのはある意味あいつなわけだし」
確かに、伝えた方が動きやすくはなる。
それでも。
「とにかく、あの子たちに真実を伝えるつもりはない。後輩を守るのが先輩の務めだ」
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クラゲ(プロフ) - めっちゃ面白いです！続き楽しみにしてます！ (2022年4月10日 15時) (
レス) @page17 id: 3ba0a6e972 (このIDを非表示/違反報告)
アリサ - 続き楽しみに待ってます (2021年8月29日 19時) (レス) id: 2149cb42f2 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - ゆうさん» コメントありがとうございます〜！ですです！偶然にもどっちもswitchでしたね今気づきました( ) いつになるか分かりませんが気長にお待ちいただければ幸いです〜〜 (2020年5月1日 18時) (レス) id: 7024b5686c (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - 夢主ちゃんはつむぎに、あんずちゃんは夏目にってことですね...？学園内で何が怒ってるんでしょう(；−ω−)続き待ってます (2020年4月26日 14時) (レス) id: de93f0d8c4 (このIDを非表示/違反報告)
小林(プロフ) - 碧月蒼さん» うわ〜〜〜んありがとうございます……正直このまま放置って考えてたんですけどそうやって言ってくれる方がいる限りできませんね……が 頑張ります… (2020年4月1日 18時) (レス) id: 7024b5686c (このIDを非表示/違反報告)
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