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全体練習後の個人レッスン。
結局、全体練習には彼女は顔を出さなくて。
もしかしたら、本当に今日は忙しいのかもしれない。
そう思いつつも、僕はレッスンを続けながら彼女を待ってみた。
もしかしたら
もしかしたら……もう少し。
あと少ししたら……ーーー
なんて思ってるうちに、もう夜の9時を回っていた。
そろそろ僕も疲れたし、こんな時間までいるわけない…と帰ろうとしたその時。
『あっ…よかった。まだいたんですね』
走ってきたのか少し息を荒くして
いつものように笑顔で入ってきてくれる
彼女を見たら、自然と頬が綻んだ。
「Aちゃん…！
全体練習に来なかったから、今日はもう来ないかと思ったよ」
『ごめんなさい、今日はちょっと忙しくて…』
申し訳なさそうに眉尻を下げて謝るAちゃん。
忙しい中でも、こうして顔を出してくれるなんて……なんだか、僕だけ特別扱いみたい。
……なんて、そんな都合がいいことあり得ないって分かってるけどね。
「今日はもう帰れるの？」
『あ、はい。帰ろうと思ったらまだ練習室に灯りがついてるのが見えて…
あの、これ…』
一緒に帰ろう……と言おうとした時、Aちゃんが僕に小さな袋を渡してくれた。
可愛くラッピングされてあって、透明なので中が見える。
これは……
「………マドレーヌ？」
『真くん、いつも頑張ってるから…
今日空いた時間で作ってみたんですけど…
あっ、あの…上手に出来たかは自信ない…んだけど…』
おどおどしながら話す彼女をよそに、僕は感動で言葉が出なかった。
え、えっ…なにこれ。差し入れ？
僕だけに？
しかも、Aちゃんの手作り⁉
上手いとか下手とかそんなの関係ない。
嬉しすぎるんだけど！
食べるのが勿体ないくらい……
このマドレーヌが宝石のように、キラキラ輝いて見えるよ…！
『……あの、真くん？
一応言っておきますけど、ちゃんと食べてくださいね？』
「えっ⁉あ、ああ…うん！勿論だよっ」
僕の気持ちが読み取れたのか、永久保存しようと思っていたのを見透かされて、思わず声が裏返った。
あはは、と空笑いする僕に対してじとーっと疑いの目を向けるAちゃんは、すぐにクスクスと笑いだした。
口許に手を当てて、可愛らしい仕草で。
『…帰りましょう？片付け、手伝います』
彼女を独り占め出来るこの瞬間が。
僕だけを見てくれるこのひとときが…
たまらなく、嬉しい。
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ゆめ(プロフ) - 若草さん» 初めまして！コメントありがとうございます(*^^*)同担様にお会いできるのはとても嬉しいです。私もスバル君と真緒くん大好きなので(//∇//)更新が遅くてお待たせしてしまうかも知れませんが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2017年9月21日 19時) (
レス) id: f6bbd1de18 (このIDを非表示/違反報告)
若草 - 作者様の丁寧であたたかい文章と作品の雰囲気がとても好きです!私もトリスタが好きなので(同担拒否でしたらすみません)、スバル君と真緒君、本編の方も楽しみにしています!長文失礼しました。更新頑張って下さい! (2017年9月21日 18時) (レス) id: f7431038ad (このIDを非表示/違反報告)
ゆめ(プロフ) - かわいさん» コメントとご指摘ありがとうございます！直しました。亀更新ですが、これからも宜しくお願い致しますm(__)m (2017年8月9日 11時) (レス) id: f6bbd1de18 (このIDを非表示/違反報告)
かわい - 面白かったです！一番右のお星様押しておきました！真くんは游木くんではなく遊木くんだと思います！ (2017年8月7日 18時) (レス) id: 36044e2c56 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆめ | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/maycry
作成日時：2017年6月4日 23時
