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思ったよりも委員会の仕事が多くて、30分じゃ全然終わらなさそう。
今日は一緒に帰れなさそうだし、高峯くんに伝えないと…
《ガラッ__》
高峯
「あ、先輩いた…」
「た、高峯くん!どうしてここに!?」
高峯
「待ってたら早く会いたくなっちゃって。様子見に来ちゃいました」
「俺も手伝います」と私の正面に座り、資料のホチキス止めをテキパキと手伝ってくれる。
「ごめんね、待たせてる上にお手伝いまでさせちゃって…」
高峯
「全然良いんです。俺をもっと頼ってください」
「あっ…ありがとう」
高峯くんの優しさがすごく心に染みる…!嫌な顔ひとつせず黙々と作業する高峯くんに涙が出そうになる。
すると、高峯くんがピタッと作業を止めて口を開いた。
高峯
「守沢先輩は…花城先輩に対して普段からあんな距離感なんですか?」
「ああ、千秋くんは最初からあんな感じで…他の人よりは距離感近すぎる気はするかな…」
高峯
「他の男が先輩に触れるの、すごく嫌です」
「えっ…」
悲しげな表情とは反対に少し怒りのこもった声。声のトーンの低さにビクッと肩が揺れる。
それに気づいたのか、高峯くんは慌てて口を開く。
高峯
「すみません、先輩を責めてるわけじゃなくて…___!」
申し訳なさそうに謝る高峯くんの頭にすっと手を伸ばし、無意識のうちに撫でていた。あまりにも自然に手が出てしまい、私もハッとする。
「ごご、ごめん!!よく弟にもしててね、その癖でついっ…!」
高峯
「…もっと撫でてください」
慌てて離そうとする手をぎゅっと掴まれて、自分の頭を撫でるように催促する高峯くん。
そのおねだりする表情に、私の心臓はバクバクと音を立てて加速する。
高峯
「俺、先輩に触れられるの…好きです」
「た、高峯くんっ…」
とても嬉しそうな笑顔に私の胸はバクバクと音を立てて暴走する。
こんな表情されたら止められないよ…
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作者名:あねもね | 作成日時:2021年1月19日 19時