俺の癒しは先輩だけ｜高峯翠 (ページ11)

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そして、土曜日。
今日は高峯くんとゆるキャラカフェに行く日。

待ち合わせ場所に到着すると、ベージュのコートを羽織った高峯くんが壁にもたれかかりながら待っていた。

まだこっちには気づいていないみたいで、私はこっそり高峯くんに近づく。

「ばっ！」

高峯
「うわっ！びっくりした……」

「へへ、驚いた？」

高峯
「あんま可愛いことしないでください…(色々と耐えられなくなる…)」

最近、高峯くんとよく話すせいか距離感がちょっとずつ近くなってきた。

前まではお互い何を話せば良いのか、言葉に詰まってたけど最近は話が盛り上がりすぎて時間が足りないくらい。

高峯
「今日は天気が良くて安心しました…」

「そうだね。でも、結構冷えてるね…さむっ」

ぎゅっ

高峯
「先輩の手、冷たい…」

高峯くんの大きい手が私の左手をぎゅっと握る。すると、私の指の間に高峯くんの指が絡んできた。

いわゆる、恋人繋ぎ…

高峯
「こっちの方があったかいですね」

「あっ、う、うん！あったかい！」

高峯
「今日は人も沢山いて危ないですし、手、繋ぎませんか？」

こんなの知ってる人に見られたら勘違いされるよね！は、恥ずかしいけど、高峯くんに手握られるのは嫌じゃない…

むしろ、安心するって言うか落ち着くような…

高峯
「後ろ、危ないっ」

「わっ…！」

トンッ

左手は繋いだまま、右手で私の背中に腕を回し軽く胸元に引き寄せられた。

私の真後ろには、大きな荷物を運んでいるお爺さん。高峯くんに助けてもらわなきゃ、危うくぶつかるところだった。

「高峯くん、ありがと…」

高峯
「先輩が無事なら何よりです。…それじゃあ、そろそろ向かいましょうか」

私の手は離さずに、ぎゅっと力強く握りしめて腕を引いてくれる。高峯くんの男らしいところを感じた。