巴日和と付き合ってみた。 (ページ8)

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街で一番大きいショッピングモールへとやってきた。
休日は子供連れの家族も多く、駐車場も満車で20分程待ちようやく入れた。

ぎゅるるる…

『私のお腹はもう限界です…』

日和「こんなに待たされちゃったらお腹もすくね。カフェは地下1Fだからエレベーターで一気に降りる方が早いね」

エレベーターに乗り、B1のボタンを押すと若い女の子2人組がすみませんっ！と言って慌てて乗り込んだ。10FからB1へ降りる間、次から次へと人が乗ってきてふと女の子が小声で話しているのが聞こえた。

「…ねっ、なーちゃんあの人Edenの巴日和くんに似てない？」
「それ思ってた！背も高いし、凄いかっこいいよね…」

もしやばれてるのでは、と思い後ろにいる日和くんをチラッと見る。

日和「なーに？雛ちゃん」

ベージュのハット帽に黒縁眼鏡で一応変装らしい格好はしているけど、
オーラが全く消せていない。勘の良いファンなら気づくレベルの変装である。

日和「ほら、混んできたからもっとこっちおいで」

『これは近すぎじゃない…』

日和「ワガママ言わないのっ。ぼくら降りるの最後なんだから詰めとかないとみんな乗れないでしょ？」

と言って後ろからぎゅっとされ、頭は日和くんの肩に当たっている。

「わ～！いいな、あんな事されたい～～」
「ちょっとあんた声大きいってば！もー、静かにー…」

冷やかしの声が聞こえて余計に恥ずかしくなる…
早く目的地に着くことを祈るばかりである。

『なんでこんな大胆な事するの…恥ずかしいなもう…』

日和くんだけに聞こえる声で言うと、耳元の近くで

日和「…だめ？雛ちゃんがそんなに嫌がるならやめるしかないね…しゅん…」

と子犬のような顔をして私を抱きしめていた腕を離そうとしたけど、
何故か咄嗟に日和くんの腕を掴んでしまった。

『人少なくなってきたら離してね…』

日和「(あー死ぬほど可愛すぎるから叫びたいけど我慢しないとね)
はーい♪ぼくが少なくなったと判断しない限りはずっとこのままだからね」

『日和くん基準は怪しすぎる！』