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千秋「随分と熱があるな…」
彼女の額に手を当て、
自分の額と比べると尋常じゃない熱さだった。
………にしても可愛い女の子だな。
まつ毛が長い………。
………っていかんいかん。
今はそんなことを考えている場合ではない!
瑠衣「お姉ちゃん…大丈夫かな……」
千秋「恐らく熱中症だな。救急車を呼んでいるから、点滴をして安静にすればすぐに治るぞ!」
瑠衣「俺、お姉ちゃんを振り回しちゃって…」
この子は、彼女の弟みたいだな。
責任感を感じているんだな、優しい子だな。
俺は泣いている男の子をぎゅっと抱きしめた。
千秋「よぉしよぉし…☆君に、この赤いハンカチをプレゼントしよう!」
瑠衣「…え?いいのっ……?」
千秋「いいぞ♪大事に使ってくれ…☆」
瑠衣「うぅ…ありがとうっ…!…あのね、1つお願いがあるんだけど……」
少し顔を赤くしながらもじもじする彼に優しく答えた。
千秋「どうした?なんでも聞くぞ…☆」
瑠衣「俺ね、ヒーローになりたいんだ!お兄ちゃんみたいに、優しくてかっこよくてみんなを守れるヒーローになりたいっ。だから…その…俺の師匠になってくださいっ……!」
お、俺がっ…師匠!?
なんだ優越感にも似たこの感じ……
俺は今最高に嬉しい気持ちで溢れている…!
千秋「ああ、勿論だ!君の名前は?」
瑠衣「やったぁ♪俺は柊(ひいらぎ)瑠衣!」
柊…どこかで聞いたことが……
はっ!いや、まさかな……
確かに珍しい苗字ではあるが、
こんな運命の出会い的なのはないよな。
あまり期待し過ぎるのも良くない。
…とは言っても顔は確かに似ている。
俺の昔の記憶は9割あてにならんが、
あの子の顔だけはしっかり覚えている。
俺がこの手で守ると誓った女の子___
自分で確かめてみるのが一番だな。
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作者名:あねもね | 作成日時:2020年8月24日 14時