甘く、溶ける ( 仁兎 なずな ) ページ4
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今日はバレンタイン。
私は昨日の休日を丸一日使って、
アイドル科の人達へあげるチョコを作っていた。
「さっきUNDEADの皆にはあげたから、
次はRa*bitsかな…」
独り言を言いながら、
Ra*bitsが練習しているであろう所へ向かう。
「こんにちは〜バレンタインチョコです!」
私の声にメンバーは大喜び。
「ありがとうございます、Aさん♪」
「ね〜ちゃん、ありがとうなんだぜ!」
「A先輩ありがとうございます!」
創ちゃんに光くんに友也くんにチョコを渡すと、
それぞれ喜んでくれたみたいで嬉しい。
でも、あれ?
「A、俺の分は?」
「仁兎先輩ごめんなさい!
教室に忘れて来たみたいで……ッ」
自分のミスに飽き飽きして来る・・・。
と。
「……に〜ちゃん、今日はもう練習を終わって、
に〜ちゃんはA先輩の教室に一緒に、
取りに行って下さいよ」
何を考えているのか、友也くんはそう言った。
ついていきたい!と言う光くんをなだめながら。
頭にハテナマークを浮かべている私の手首を、
仁兎先輩が掴む。
「…行くぞ ッ」
「は、はい ッ」
少し小走りな仁兎先輩を必死に追い掛ける。
あっという間に教室に着き、
私は自分の机の中を漁った。
「あった・・・。
仁兎先輩、ありました!」
仁兎先輩用のチョコを抱え、仁兎先輩に近付いて行く。
「……それ、お前…」
ほんとは、こうやって2人きりで渡したくて。
わざと教室に忘れたんですよ、仁兎先輩。
それも、このチョコに気持ちを込めている。
「・・・仁兎先輩だけです、このラッピングは。
仁兎先輩は、私の特別なんです」
意を決して思いを伝える。
「・・・」
仁兎先輩は答えず、
代わりにラッピングの袋を開きチョコを一口食べた。
「甘い…」
仁兎先輩は優しく微笑むと私に近付いてくる。
「でも。
お前の方が甘い」
次の瞬間にはもう、仁兎先輩の顔がすぐ近くに。
「俺も好きだよ、A」
あぁこの恋はチョコよりも甘く、
そして溶けそうだと思った。
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岩里(プロフ) - 折り紙さん» いえいえ! それなら良かったです! (2017年3月5日 10時) (レス) id: 4c72bb5bb4 (このIDを非表示/違反報告)
折り紙(プロフ) - ありがとうございます!凄い面白かったです!(*´∀`) (2017年3月4日 18時) (レス) id: e15bd602b8 (このIDを非表示/違反報告)
岩里(プロフ) - HimeMinaさん» リクエスト有難う御座います!! 挑戦させて頂きますね!!応援も有難う御座います (´;ω;`) (2017年3月4日 9時) (レス) id: 4c72bb5bb4 (このIDを非表示/違反報告)
HimeMina - リクエストで、桃李くんお願いします!!シチュエーションなんでもいいんですけど、できたら、すでに付き合ってるやつがいいです!!難しかったら違うのでも全然OKです♪更新頑張ってください!!応援してます♪ (2017年2月19日 22時) (レス) id: be4c69b9ce (このIDを非表示/違反報告)
岩里(プロフ) - 折り紙さん» 折り紙さん、コメント有難う御座います!!そして理解エストも有難う御座います!!なつめくんもお師さんも書いた事は無いのですが、私なりに精一杯頑張らせて頂きます m(_ _)m (2017年2月11日 10時) (レス) id: 4c72bb5bb4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:岩里 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/chisaco17/
作成日時:2016年2月6日 13時