み る く き ゃ ら め る【短編集】〜あんスタ〜

甘党 ( 姫宮 桃李 ) ページ6

.



｢このっ!庶民めっ!｣



｢え……と?｣



私の目の前では､



ピンク色の髪をした可愛い男の子が涙目になっていた｡



｢庶民は人にぶつかっても謝らないのか!｣



｢え?

あ､もしかして･･･｣



ぼーっと廊下を歩いていた時に､



ぶつかってしまったのかもしれない｡



｢ごめんなさい｣



｢う……次からは気を付けろよっ!｣



素直に頭を下げればピンクくんは機嫌を治した｡



あ〜､ほんとに可愛い｡



本能に任せてピンクくんを撫でる｡



｢この!庶民の分際･･･で ｯ｣



｢･･･撫でられるの､嫌だった?｣



そうピンクくんに聞いてみれば｡



｢……ｯ｣



顔を真っ赤にして､小さく首を横に振る｡



何､もう可愛過ぎる｡



でも撫で過ぎも良くないと思い手を離すと｡



｢あ ｯ ･･･｣



ピンクくん､凄い残念そうな顔をしてる｡



しかも目線の先には私の手｡



ナンデスカコノカワイイイキモノハ｡



｢･･･そう言えば庶民､名前､なんて言うんだ?｣


首を傾げて聞いてくるピンクくん｡



｢可愛･･･じゃなくて｡

名前は､Aと言います｣



｢A｣



早速名前で呼ぶピンクくん｡



｢僕は､姫宮桃李｡

しょ､庶民が望むなら､仲良くしてやっても良いぞ?｣



この言葉で私は完全にノックアウトされた｡



｢え､おい､どうした??

弓弦〜!大変､どうしよう!!｣



そしてこの後目覚めた私はまた､



可愛い君にノックアウトさせられる｡



可愛い可愛い言い過ぎ?



･･･甘党なんだよ､私｡



.

苦いよ、 ( 朔間 零 )→←ヤキモチ ( 遊木 真 )

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す