あんさんぶるパパーズ！【短編集】

【朔間凛月】〜2〜 ページ35

〜1〜のつづきです。


『う……そ……。』


嘘だ。嘘だ嘘だ、そんなことあるわけない。

もう一度。

ピピピーー……


『変わらない……？』


そんな、なんで、なんでーーーー……？

あまりの衝撃に、私は思わず膝から崩れ落ちた。

増えている。確実に。

最後に測定したのが半年ぐらい前だから、多分二、三キロぐらい。


最近、父の作ったお菓子を食べ過ぎて太ってしまったのだ。

変化に気付いたのは、昨日の入浴中のことである。

体を洗っているときに、ふと思った。


『なんか、二の腕プニプニしてる……。』


それに、前はもっとほっそりしていたようなーー……

鏡で全身をチェックしてみても、あまり変わったところは見られない。

気のせいだと思っていたが、念の為体重を計ってみようと思い、もう何ヵ月も触れていない体重計に静かに乗った。



そして、今に至る。


『どうして、こんなことにぃぃぃ……』


自分に責任があるとは分かっているが、一応私も生物学的には女に分類されるので、この事実は受け入れがたいのである。

明日から毎朝走り込むか、それとも食べる量を減らすか。

食べることが大好きで、運動が大嫌いな私にとってはどちらも地獄に等しいものだ。

それでも、このまま何もしなければ体重だけが増えてしまう。


『よしっ……！』


暫く考え込んで、私は何かを決心すると体重計を持ってその場を後にした。

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