【羽風薫】〜4〜 ページ12
〜3〜のつづきです
暗い街中を一人で歩く。
行き場所なんて決まってない。
家になんか、帰りたくない。
どこを目指しているのかも分からないのに、不思議と足は進むことをやめなかった。
悲しい。大好きな父にあんな言われ方をするなんて。
ーー…あんな風に否定されたなんて。
「A…。」
不意に後ろから、最近になってようやく聞きなれた声が聞こえた。
振り向くと、いつもと様子がおかしい彼が立っている。
「Aってさ、本当に俺の事好きなの？」
『えっ…？』
「今まで名前で呼んでくれたこと無かったし、他の男にも平気で笑顔を見せるし。俺の気持ちはこんなにも大きくて重いのに、お前が俺に向ける気持ちは、友達みたいに小さくて軽い。」
『そ、そんなこと…』
「じゃあ、俺のこと名前で呼んでみてよ。」
…黙ることしかできなかった。
私は、彼のフルネームさえ知らなかったからだ。
所詮、その程度の気持ちだったということ。
『それは、できない。』
「何で？」
『私多分、秋山くんの事、彼氏として見てなかったから。友達感覚だったの。』
「何だよ…、それ。」
目の前の瞳が、次第に光を失っていく。
「お前、最低だな。」
頬に、焼けるような痛み。
彼に平手打ちをされたのである。
これじゃあまるで、自分がしたことが帰ってきたみたいだ、とさっきまでの自分を思い出す。
一発だけでは気が収まらなかったのか、彼はもう一度拳を振り上げた。
大きくてごつごつした拳が自分に降りかかるのを呆然と眺めながら、私の頭のなかにはあの幼い頃の警告がリピートされていた。
あぁ、あれを教えてくれたのは…
あと数秒もしないうちに降り注ぐ衝撃に、私はぎゅっと目をつぶった。
しかし、衝撃はいつまでもやってこない。
不思議に思い目を開けると、そこにはあるはずのない人の姿があった。
「女の子に、手なんか上げるものじゃないって、親に教わらなかった？」
「なっ…、」
『パ…パパ……。』
私と同じ黄金色の髪、かなり良い体格、私のせいで真っ赤に染まって腫れてしまった頬。
まぎれもない父の姿がそこにはあった。
「そろそろ俺が本気で怒る前に、どっかいってくんない？」
「ひ、ひぃっ…！」
蛇のような鋭い視線でにらまれた彼は、一目散に逃げ去った。
『…遅くなってごめんね。A、おいで。』
私に向かって広げられた腕に、勢いよく飛び込む。今までの謝罪と、感謝を込めて。
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らんちゃん - 深海くん最高でした、、、！！ (2018年3月26日 17時) (
レス) id: 5da59bc768 (このIDを非表示/違反報告)
ニカ姫 - あんスタの桃季君大好き (2017年6月4日 16時) (レス) id: 39e38305d9 (このIDを非表示/違反報告)
レイア(プロフ) - ヤバイです！ハマりました！！もう部屋の中で一人発狂してました(笑)更新楽しみにしてますね！！ (2017年3月29日 3時) (レス) id: f480fe51c3 (このIDを非表示/違反報告)
アクアリウム(プロフ) - お帰りなさいです！めっちゃ更新、続きを楽しみにしていたので帰ってきてくれて嬉しいです！これからも応援してます！ (2017年3月27日 18時) (レス) id: 8d5de3cdea (このIDを非表示/違反報告)
しょこらて - たくさん応援メッセージやリクエストありがとうございました（；＿；）皆様の温かいコメントは、本当に心の支えになったし、嬉しかったです。これからもあんさんぶるパパーズをよろしくお願いします。m(__)m (2017年3月20日 23時) (レス) id: 7a983a56c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しょこらて | 作成日時：2016年3月6日 18時
