この気持ち…【瀬名泉】 (ページ29)

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弐拾八♭ ページ29

貴方side

『………保健室…？』

陣「おぉ、目が覚めたか。」

『誰。』

陣「うっ。まぁ、知らなくて当然か…まぁ、俺が誰かなんつーのはどうでもいいんだよ。」

『保健室の先生なんだね。』

陣「わかってても敬語を使わないスタイルか…んま、いいけどな。」

『で、なんで私ここにいるの？』

陣「貧血で倒れたんだよ」

『それは知ってる、でも、誰も近くにいなかったから』

陣「そうなのか…？瀬名が連れてきたんだがなぁ」

『！？』

あいつに？？私運ばれてきたの？は？触られたの？

『どんなふうに』

陣「お姫様抱っこ」

ニヤニヤしながら保健室の先生であろう目の前の人が言う。

『は？…体調悪くなってきた』

陣「おーおー好きなだけ休んでけ～俺は帰る」

随分適当だな()

陣「じゃ、よろしくなぁ…って、瀬名か、なんだ～様子見に来たのかぁ～」

瀬名…？いや待て。待ってくれ神様。少しだけでいいから私の姿を消してくれ。

まぁ、そんな願いもかなうわけなく

瀬「あんたねぇ…」

不機嫌そうな顔で見下ろしてくる瀬名。なるほど。刺したい。()

陣瀬名のやつ…近くで倒れたって言ってたけど…ははぁん…事前に倒れるのをわかってて必死に探したのかぁ…高校生だねぇ…

『な、なんだよやんのか。』

瀬「なんでそんな喧嘩腰なわけ？運んでやったんだからなんかいうことあるんじゃないの」

『別に頼んでないし！？』

瀬「はぁ？こっちだって運びたくて運んだんじゃないし？いい加減にしてよねぇ？」

全く。ステージにいる時の営業スマイルはどっから出てきてんのか。

『あ、りがと…』

私はありがとうなんて滅多に言わないから恥ずかしくなって無意識に掛布団に顔をうずめた。

だから、瀬名がそのあと、どんな顔で

瀬「どういたしまして」

っていったのかもわからない

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なにこの青春。