" 征"略結婚。2【黒子のバスケ】

昔と夜の記憶 ページ30

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お父さんの意図は分からない。

でも抜けた人たちは、きっとヤクザであり続けたかったからこそ団を抜けてしまったんだろう。

強いよ
自我を持った立派な大人だと思う。


抜けた人たちからしたら

残ってるおじさん達に、

「お前らはヤクザとしてのプライドがないのか、騙されていたのになんとも思わないのか」


そう訴えたいだろう。


残ったおじさん達からしたら、

「なぜ私のお父さんや私を信じきれなかったのか、今まで過ごした日々は何だったのか」


と問いかけたいんだろう。


喧嘩両成敗というワードは案外しっくりと来た。

「とりあえず上がっていく？」

「でも43人いるし入らないと思いますよ！それに部屋が汚くなっちゃいます」

残念ながら43人程度だったら入っちゃうんだな。

この家がどれほど広いか、忘れてもらっちゃ困る。


「掃除なら手伝いを呼んでしてもらえる。A、少しくらい彼らを休ませてはどうだ」


「そのつもりだよ。遠慮は無用、さっ上がって！」

私たちの言葉を境に、小学生のようにはしゃぎながら家に入っていくおじさん達


征十郎の前を通り過ぎるときは全員が全員、深く頭を下げていた。


みんなにとっても征十郎は恩人なんだな。


そりゃそうだ、征十郎がいなかったらおじさん達は今頃……


「はぁ……」

私もみんなの後に続いてリビングに行こうとすると、横から征十郎のため息が聞こえた。

「どうかした、疲れた？」

「いや……あの感覚が忘れられないんだ」

あの……感覚？
首を傾げたら意味深な笑みを浮かべる征十郎



「今夜も頼む。病みつきになりそうだ」

「ひっ」

掠れ声で耳元で囁かれる低音に、ぞくりと背筋が凍った。


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