E組にやって来たのは……

五英傑と恋人の時間。 ページ32

「ねー瀬尾、彼女できたんだっけ？」

「あー、まあ」

「おおー…C組の子だっけ？」

「完璧に知ってんじゃねーか」

「おー、あたり？」

「瀬尾に彼女かー…どんな子なんだい？」

「普通に可愛い、と思う」

「ふーん？」

「Aの方が可愛い」

「ちょ、学秀⁉いきなり何言ってんの…」

「相変わらず仲良いね、2人は」

「流石に人いるとこで言われると恥ずかしいんだけど…」

「ちゃんと女の子だよね、Aさん」

「何よー、それー」

「普段が並外れているって話だよ」

「ふん、もう知らないしー。やっぱE組行こうかな、今日」

「荒木のは悪ふざけだ、落ち着け」

「今日まだ生徒会の仕事があるぞ」

「えー…じゃあわかった、水に流すー。転入生くるらしいし気になってたけど、今度にしとくねー」

「転入生？」

「んー、まあ、一応来るらしい。お兄ちゃんが言ってたし…」

聞く限り、対先生弾を教室中に巻き散らかすだけ巻き散らかして、片付けない問題児、らしい。うん、行きたくないね。

「じゃあはい、仕事出して」

「はい」

「…この量なら学秀1人で終わるじゃない…」

「察してあげなよ、少しでも長く君といたい彼の心を」

「榊原何言ってんの」

「あながち間違いでもないな」

「違わないの…てか学秀、最近会うと愛情表現？ストレートよね、しかも回数増えてるし」

「最近君はE組にかかりきりであまり会えないしな」

「ごめんなさい……でもほんと、差別とか確かにあんま好きじゃないけど本校舎は大事だし」

「そうか」

「言ったでしょ？距離感とかもわかってるから大丈夫。A組を……学秀を裏切るようなことは絶対しないって、約束するから」

「……ああ」

「あ、そーだ。梅雨明けて球技大会も終わったら、デートしよ」

「そうだな。どこが良い？」

「今度公開予定の映画があって……アガサ・クリスティーの映画化なんだけど、見に行きたいなーと思ってて……」

「駅前の映画館に行くなら、その後周辺で食事なり遊ぶなりもできるな……調べておく」

「ありがと！」

「俺もデートしてーなー」

「しないの？」

「あー……まああんましてねーな」

「誘えばー？」

「そーしとくわ」

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