魔力 ページ9
フウカside
ガートが、ゆっくりと近付いてくる。ジリジリと後ろに下がったら、肩が冷たい壁にぶつかった。
手にしてる球体の中にはチャプンと揺れる銀色の液体。
あたしの、魔力だ。そう思ったら、一気に怖くなった。
ガート「さぁて。そろそろ抵抗するのはお止めになられたらどうですか?」
フウカ「っ……!な、何のためにあたしを拐ったの!?」
ガート「何のため、とは愚問ですね。…貴女の魔力を、能力を我が王に献上するためですよ?」
ぐっ、と奥歯を噛む。またか、って、そう思ったらこの金の髪も火の魔法も、物凄く恨めしくなった。
この二つさえなければ、あたしは普通に普通の銀の王女でいられたのに。
そう思ったら物凄く悔しくて、悲しくなった。パパもあたしも、勿論ママだって、悪いはず無いのに…!
フウカ「もうっ……何なのよ!?あたしがナニしたっていうのよ…!?」
ガート「…ふむ。このままでは満足に魔力もとれませんね。あまり物騒なことはしたくなかったのですが、仕方ない。」
フウカ「っ…!!?」
ほうっ、と溜め息をついたガートの手に、いつのまにかギラギラ光る剣が握られていた。
ガチャリと扉が開いて、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべるベネスが部屋に入ってくる。
それを横目に確かめたガートが困ったように作り笑いをした。
ガート「とても残念なことですが、貴女には今から
死んでいただきます。」
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