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vs ページ39

フウカたちの戦闘が始まる少し前

〜〜〜〜〜〜〜

カイトside



僕は義父さんと……いや、この数年間敵とみなしてきた相手と向かい合っていた。



僕の右手には、ここまで来るまでに用意した長剣。ベネスの右手にもまた、同じものが握られていた。



お互い絶対零度の眼差しで睨み合う。先に動き出したのはベネスだった。



護られるはずの1国の王とは思えない身軽さで床を蹴って間合いを詰めてくる。



振られた剣を、身を低くしてかわす。その体勢のまま剣を横に振ったが、素早く受け止められた。



一瞬視線を交えて後ろに飛び退く。ベネスの方も同じ動作をして距離をとった。



ベネス「ほう。いったいどこで剣技など習った?俺は教えたはずはないのだがな。」



カイト「自分の身くらい自分で護れるようになるさ。」



にやにやと嫌な笑みを浮かべるベネスの顔を睨み付ける。



吐き捨てるように返せば、ベネスはくくっと笑った。



ベネス「成る程な。」



つまりは我流か、という呟きとともにビュッと空を切って剣を振るう。



その時同時に魔法も使ったのか、強い風圧が迫り、のし掛かってきた。



潰されそうになる前に床を蹴って風圧から抜け出す。



そのままの勢いでベネスとの間合いを詰め、胸元に飛び込んだ。



が、サッと避けられ、代わりに剣の柄で背中を突かれそうになる。



それを体を捻って避け、ベネスが距離を取る前に剣を振った。



ザシュッという鈍い音と、軽い手応え。落ちないように腕を軸にして着地した後、ベネスの方に視線を向けた。



そこには、片手で肩を押さえこっちを睨み付けるベネスの姿。



押さえた手の間から紅い血が滴っていた。けれど、直ぐに血は止まり、ベネスも肩から手を離した。



血の止まりがあきらかに早い。治癒魔法でも使ったのだろう。



ギリッと奥歯を噛む。最後にあの3人が転移した時に、フウカが予定とは違いチトセと共に転移してしまった。



あちらに行けば必然的にガートと戦うことになる。



あのガートのことだ。チトセを相手にするよりもフウカを手に入れようとするだろう。



もし、フウカが怪我をしていたら、と。そう思うとどんどん気持ちが焦ってくる。



大丈夫、チトセがいる。と言い聞かせても剣を握る手が汗ばんでいく。



そんな僕の焦りを読んだのか、ベネスがにやりと口角を上げて口を開いた。



弱き者→←光の魔女



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設定タグ:らくだい魔女 , チトフウ , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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あんなつ♪(プロフ) - ♪稀小椎♪(mej)さん» うす!ありがとね!! (2020年8月16日 15時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 脱字した…、今更言うけど、続編おめ! (2020年8月15日 20時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 今更、続編おめ!! (2020年8月15日 18時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ケイさん» 私もそう思う!!!父親○したヤツなんて○しちゃえ!!! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» ちょっと待ってベネス腹立つわぁああ怒カイトくん一気にやっちゃって!!本当もう、原型とどめなくていいと思う! (2020年7月7日 5時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:あんなつ♪ | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月7日 8時

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