『太陽』 ページ32
フウカside
フウカ「っ……!何でもいい!あたしは、絶対みんなのところに戻んなきゃいけない!お願い、教えて!」
ガートの呟きに必死にすがる。ガートは魂だからなのか、何を考えてるのか全く分からない。
そのまま一ミリも動かずにガートは黙り続けたあと、そっと囁くように話始めた。
ガート「貴女様には、私になかったものがある。
普通の王族とは比にならない程の膨大な魔力。
ここまで届く程に強く願う声。そして、」
一旦、ガートが言葉を区切る。そこに眼はないのに、すっと、ガートの刺すような鋭い眼差しを感じた。
ピリピリと緊張感が漂う。あたしは唾を飲んでガートのランプシェードのような光を見つめた。
あたしは、絶対にチトセのところに……皆のところに戻らないといけない。だって、まだ皆に言えてないから。
『助けに来てくれてありがとう』って。それに、今、みんなはあたしを助けにきたせいで戦わなきゃいけない羽目になってる。
それなのに、あたし一人こんなところにいる訳にはいかないし、何より
折角助けてくれたんだ。絶対に、生きて、このあたしの身体のまま皆に会いたい!
ガート「何より、貴女自身が『戻りたい』と強く願ってらっしゃる。」
突き刺さっていた冷たい試すような眼差しが、ふっと柔らかくなった。
ガート「……私はたった数日で、あの王の元に戻りたいと思えなくなってしまっていたのでしょうか……。」
ぼそりと呟かれたガートの言葉は、小さすぎてあたしには聞こえなかった。
ガート「フウカ様。貴女はお強い。心も、力も。
そして貴女は光だ。人を照らし、暖めることのできる唯一の存在『太陽』のような。
……強く、願ってください。貴女ならば、きっと戻れる。」
ガートの光が優しく包むこむような色になる。遠くで、また、チトセの声がした。
『フウカ……!』
……戻らないと。大事な人たちのいる、あの場所に。
*
6人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あんなつ♪(プロフ) - ♪稀小椎♪(mej)さん» うす!ありがとね!! (2020年8月16日 15時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 脱字した…、今更言うけど、続編おめ! (2020年8月15日 20時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
♪稀小椎♪(mej)(プロフ) - 今更、続編おめ!! (2020年8月15日 18時) (レス) id: 4cf15cbb89 (このIDを非表示/違反報告)
あんなつ♪(プロフ) - ケイさん» 私もそう思う!!!父親○したヤツなんて○しちゃえ!!! (2020年7月7日 19時) (レス) id: 2efed111d7 (このIDを非表示/違反報告)
ケイ(プロフ) - あんなつ♪さん» ちょっと待ってベネス腹立つわぁああ怒カイトくん一気にやっちゃって!!本当もう、原型とどめなくていいと思う! (2020年7月7日 5時) (レス) id: b0b3a08d76 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ