らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

聞こえる？ ページ31

フウカside



フウカ「な、何っ！？」



何も考え付いてないあたしはすがるように聞き返す。



ガートもゆらりと揺れた後に「やっぱり……。」と呟いた。



ガート「耳を、すましてみてください。何か聞こえませんか？」



ガートが静かな声色で聞いてくる。あたしも一旦考えるのをやめて耳をすました。



でも、何も聞こえない。あたしは更に何秒か耳をすましてみたけど、やっぱり何も聞こえなかった。



フウカ「どしたのガート？何も聞こえないけど……。」



ガート「いえ……やっぱり聞こえます！フウカ様を呼んでいるみたいですよ？」



フウカ「えっ！？」



慌ててもう一度耳をすます。でも……やっぱり……聞こえ、な、い……？



『……！……カ！』



いや、何か、遠くで何かの声がする。まるで、誰かを呼んでるみたいな、切羽詰まった声……。



『……カ！……ウカ！』



ドクン！！と心臓が跳ねた。急いで立ち上がったあたしに、ガートが「聞こえましたか？」と聞いてくる。



『フウカ！』



フウカ「っ……！チトセ……？」



チトセの、声だ。チトセが、あたしを呼んでる……！



戻らないとっ！！



あたしはガートに精一杯の希望を託して、訪ねた。



フウカ「ここから出る方法、無いのっ？」



ガートは少しの間黙りこんで、ポツリと呟いた。



ガート「……もしかしたら、貴方様ならできるかも、知れません。」



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