らくだい魔女と両思いのち片思い～奇跡が起こる瞬間に～ (ページ4)

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ガートページ4

フウカside

？「おやおや、もうお忘れになられましたか。残念です。昨日、プリンセスと共に月夜の散策を楽しんだ者ですよ。」

昨日…月夜？ってことは…ーー

フウカ「貴方があたしを拐ったの！？」

昨日、紅い月をバックに薄気味悪い笑みを浮かべていたフードの男を思い出す。

その途端ぶるりと体が震えて、一歩分後ろに下がった。

？「拐った、とは人聞きの悪い。まあ否定はしませんがね。私の名はガート。この国、ミサトの王専属の従者をしております。以後、お見知り置きを。」

丁寧に礼をするガートという男を睨み付けて、ハッとした。

だって、今、『ミサト』って言った？ミサトって、

カイトの、国じゃないの……？

フウカ「え…どうゆうこと…ミサト…！？って…え…カイト…？」

ガート「ああ、あの王子のことですか。愚かな王子。昔から『長いものには巻かれろ』『強者に従え』と教えていたはずなのに。…まったく、愚かな選択をしたものです。従者として、教育係として嘆かわしい限りだ。」

フウカ「な、に…言ってんの…？カイトが愚かって、そんなわけないじゃん…！」

震えそうになる声で、それでもキッパリ言い切ってガートを睨み付ける。

なぜかさっきから一定の距離を保って話続けるガートに、１歩迫るように下がった分だけ前に出た。

すると、ガートが「おっと」と言ってあたしが進んだ分だけ後ろに下がり始めた。

フウカ「？何してんの？」

ガート「おや、お気付きになりませんか。…あの王子が仕込んだのでしょうが、私たちは今は貴女に近付くことができないのです。何か魔法を込めた食べ物でも食べさせたのでしょう。」

そう言って肩をすくめるガートに、あたしはポカーンと口を開いた。