らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

もはや哲学~作者の意見です~ ページ29

ガートside



〜〜多分最後の回想です〜〜哲学ですか？って突っ込みたくなりますがご了承ください〜〜



そして、次に目が覚めたとき。私はこの真白な空間に立っていた。



この空間では時の流れも歳月の移り変わりも分からない。



ただ腹が減ることも眠くなることもなく、疲れることも体調不良になることもなかった。



そのうち、もともとあった自分の身体が揺らぎ、薄れてきているのを感じた。



最初は焦った。どうしたら良いのかも分からずにただずっと歩き続けたこともあったし、ずっと地面に寝そべって上を見上げていたこともあった。



段々と薄れていく自分の身体を見て焦ることもそのうちなくなり、違和感すら残さず、自分の身体が消えてしまっていたことに気付いたのも完璧になくなってしまった後だった。



その時、悟った。きっともう、私は彼等のもとに、王のもとに戻ることはできないのだろうと。



辛くもなかった。苦しくもなかった。ただただ大事な物を失ったような虚無感でいっぱいだった。



だが、身体が消えても、『自分』という存在は確かにそこに在るという感覚だけは消えなかった。



そしてある時、思った。もしかしたら自分は『魂』という状態で在るのではないかと。



もしそうならば自分の記憶があることも、存在として感じることも納得できる。



たとえ身体がなくとも、魂として在るのならば私はそこに在る。



もう自分を見ることはできない。鏡なんてものはここにはないし、身体自体ない。確かめる術はもちろん持ち合わせていなかった。



だからただの仮説にすぎない。しかし私は私の意識の中で『魂』だと結論付けて、過ぎているのかいないのかも分からない時の中で存在し続けた。



そんなある時、だった。この私だけしか存在しなかった空間に、私以外の『温度』を感じたのは──。




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