らくだい魔女と両思いのち片思い～奇跡が起こる瞬間に～ (ページ13)

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涙ページ13

フウカside

ずっと前を向いて走る。そのうち息が切れてきて、足ががくがくしてきた。

フウカ「チッ……トセっ！もうっ……無理！」

チトセ「っ頑張れ！あともうちょっとだからっ！！」

半ばチトセに引き摺られるようにして角を曲がる。その瞬間にチラッと後ろを見ると、大分ガートから離れることができていた。

何度か角を曲がって逃げる。そのうちガートが見えなくなった。

ガートが見えなくなってから４つ目くらいの角を曲がったところで、あたしは力尽きるようにその場にへたりこんだ。

フウカ「はぁっ…はっ…っ～…は」

チトセ「く……はあっ…はっ」

お互いくったくたになって座り込む。でも繋いでいた手はそのままだった。

フウカ「っ……チトセ。」

チトセ「……何だよ。」

ギュッと、大きい手を握る。俯いた頬を暖かな何かが伝って、ポタリと床に落ちた。

最初は汗だと思って見ていたのに、段々視界がぼやけて目が開けられなくなった。

チトセ「……フウカ？」

フウカ「っう……あぁあ！」

ぽたぽたと零れてきて、さらに視界がぼやけて。

チトセがきゅっと手を握り返してくれた。

チトセ「……泣いてるのか？」

チトセの手がそっとあたしの頬に触れて、優しく目元を拭ってくれる。

フウカ「だ、いじょうぶ……でも、……ありがと。」

チトセ「？何が？」

フウカ「来て、くれて。助けに来てくれて、ありがとうっ。」

チトセの手が止まって、代わりに低い声が返ってきた。

チトセ「……当たり前だろ。お前のことは、俺が、…俺たちが絶対守ってやる。」

その言葉に、

これ以上ないくらいに涙が溢れた。