らくだい魔女と両思いのち片思い〜奇跡が起こる瞬間に〜

転移石 ページ12

フウカside


チトセ「行くぞ」


フウカ「え！？い、行くってどこに！？」


カリン「フウカちゃんっ！手、繋いで！」


チトセが取り出したのは、キラキラした石。チトセはそれをギュッと握りしめて、ガートをにらみ上げた。


更に驚いたことに、カリンまでその石を持って緊張したように下唇を噛み締めてる。


そして──。ボワンッとそれを床に投げつけた。あたしは訳が分からずカリンを見る。


カリンが焦ったように手を伸ばしてきた。でも、ギリギリで届かない！


サッと顔を青ざめさせて、カリンが「フウカちゃんっ！」って叫んだけど、どうしようもできなくて。


その瞬間、チトセが乱暴にあたしの手を握った。





数秒後。









あたしはチトセに手を引かれて、長い見慣れない廊下を走っていた。


フウカ「えっ！？ちょ、何して……！？」


チトセ「後ろっ！！みてみろバカッ！！」


チトセに言われて恐る恐る振り替える、と。ガートが全力疾走で追いかけて来ていた。


フウカ「ひっ……！」


チトセ「カイトに言われて、転移石を使って逃げてきたんだ。」


フウカ「転移石……！？って何だっけ？」


チトセ「はあっ！？たく、授業で習っただろ！！魔力をこめると好きな場所に転移できるっていう石だよ！」


チトセが怒鳴り付けるように説明してきて、やっと理解する。


でも、すぐにわけわからなくなった。だって、それじゃぁ、何で……


フウカ「なんでカリンとカイトがいないのっ？」


チトセ「……カイトが王の相手をして、俺がガートの相手をする予定だったんだ。お前はカリンに付いていって、二人は取りあえず待機。俺はガートをとにかく王のいる場所から離して連携させないようにするつもりだったんだ。二人が連携さえしなければ何とかなるからって。」


ギリッと奥歯を噛んで走り続けるチトセに、あたしはやっと状況を理解した。

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