私の同僚たち3

噂話 ページ4

「晋助、買い物 付き合ってよ」



高「…」



「 "どこに" と聞け、無視すんな」



高「ど…こに、だ…」



「待って、え、そんなに嫌なことある？」



高「ちょっとふざけたまでだ」



「晋助のボケってガチっぽいから分からん」



高「で、どこだ」



「スーパー」



高「お前、デートって言葉 知ってるか？」



「好きな人とお出掛け」



高「これまでに一度でもスーパーに行ったか？」



「初めてだね」



高「出掛ける先がスーパーの場合はデートとは言わねぇ」



「お出掛けには違いないでしょ」



高「ただの買い出しだろ」



「ところで晋助はさ」



高「切り替え早」



「雪見だいふく 食べたことある？」



高「冬に食う」



「えー炬燵 入りながら食べるの？

　ぬくぬくしながら雪見 はむはむ するの？可愛い！！」



高「たったの4文字でそこまで話せるお前を心から気色悪いと思う」



「オタクとは妄想力 豊なものなり」



高「そうじゃねぇ、雪見がどうしたってんだ」



「一個ちょうだい」



高「は？」



「って、言われたらどうする？」



高「2個しかねぇのに1個 丸々やる馬鹿はいねぇだろ」



「まぁ 大抵そう、私もそうだもん」



「ピノならまだしも」



高「星はやらん」



「どうでも良いとか言いそうなのに意外と希少種 好きなタイプなんだ、好き」



「じゃなくて！」



高「まさか彼奴は易々と1個やるってんじゃねぇだろうな」



「そのまさか」



「1個どころか2個くれる」



「何故なら馬鹿だから」



「但し、やるから付き合えっていう条件付き」



高「馬鹿の割に抜け目ねぇな」



「狡猾な馬鹿なんだよね」



「条件 飲んだことないけど」



高「単純に2個 奪ってるだけじゃねぇかよ」



「それでも笑うんだよね、馬鹿みたいに」



高「今頃くしゃみでもしてそうだな」



「あれは本当にする奴なんだよな」



高「…ｯﾀｸ、好きな奴の好きな奴の話 聞かされる身にもなってほしいもんだ」



「申し訳ねぇ」



高「申し訳なかったら俺と付き合え」



「付き合わん」



高「これでもまだ好きってんだから俺も相当な馬鹿らしい」



「うん、そうだよ！」



高「元気よく言うな、腹立つ」

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