34話!〜エルヴィンの過去〜 ページ37
エルヴィンside
私は唇を噛んで馬を走らせた。
副団長にクレイアの死と、最後の撤退の命令を伝えた。
副団長も顔を歪ませたが、すぐに撤退命令を出した。
壁内に戻ると罵声が飛んできた。
私はそんなことよりもクレイアの子供を探すことで頭がいっぱいだった。
彼女の最期の願いを叶えたかった。
だが、どれだけ探しても情報をほとんど与えられていない私にクレイアの子供を見つけるなど不可能だった。
探し続けてもう何年もたった。
この年、壁が破壊され、孤児も増えていた。
私はもう癖になっていてつい、孤児の書類に目を通した。
そこに気になる孤児がいた。
A・キールラ
その文字を見て私は早々に孤児院へと赴いた。
院長「ん?エルヴィン団長?どうしてこのような場所に!」
エルヴィン「A・キールラはいるかい?ぜひ、引き取りたいのだが」
院長は何かを察したようにAを連れてきてくれた。
私は確信した。この子はクレイアの子供だと。
なんせ顔が瓜二つだったのだ。
エルヴィン「A、私の家族にならないかい?」
A「ほんと?嬉しい!」
そしてAは私の元へとやって来た。
最初はクレイアの子供だからという理由だったが、今となっては愛しい我が子だ。
クレイアの分までこの子を守り抜いてみせよう。この命に代えても。
・・・だが、Aはクレイアのことを知らない。
生みの親を知らないのだ。
15になったら話そうと思っていたが、話すべきなのだろうか・・・。
27人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ひな | 作成日時:2014年3月16日 1時