友達探し33日目 ページ37
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『……来たっ……!!』
速い。もうごんがこっちに向かって走って来てる。よし……!
「じゃあ妾に任せな。ごん、礼を云うよ」
《……(コクコク)》
一応「喋らない」ということになっているからかごんは首を縦に振った。
与謝野女医が慣れた手つきでAEDを使う。電気が流れて、また胸骨圧迫を続ける。
……すると。
「……ッ!!」
桜庭ちゃんが、目を開けた。
『…………!さくらばちゃ……っ』
「よし。A、下がってな。ここは妾がやるからね」
……みんなの顔がサァッと青くなる。え?何?どうしたの?
「……。Aさん、あの、その……耐性、あります?」
『あ、谷崎さん。ご無事で何よりです。耐性ってなんのこ……』
言いかけて、やめた。目の前で桜庭ちゃんの悲鳴が聞こえたからだ。
与謝野女医が鉈を振るうたび、皆の空気はどんどんブルーになっていく。……敵より身内に恐れられる探偵社の女医さん……うん、恐ろしい。
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「ふう……いやァ、久しぶりに最ッ高の気分だよ」
しばらくして見たのは艶々とした顔つきの与謝野女医。それと。
「………………」
顔が完全に死んでいる桜庭ちゃん。……顔は死んでる。死んでるけど……!
『さ……桜庭ちゃん、生きてます……!』
「……あ?何だ新美。莫迦にしてんのか」
ったく……と桜庭ちゃんが呆れた。…………本当に、本当に生きてるよ……!!
『桜庭ちゃん!無事で良かったですーーっっ!!』
「わちょっ……鬱陶しい!くっつくな!!おい聞いてんのか!?」
『聞いてますっ!聞いてますよお……!!』
「……そろそろではありませんかねえ?」
「そうだな。……新美と……マフィアの上級構成員、桜庭。そろそろ来るぞ」
「あ?……あー、もうそんな時間か」
『ほんっとに、心配したんですからね……っ!!』
「あーはいはい。すまんかったわ」
本気で怒っているつもりなのに、軽くあしらわれた。相変わらずで何よりだけども。
「Aさん」
『鏡花ちゃん!』
「……無事で、良かった」
「…………。あまり心配をかけさせるなよ、小娘」
『はい?小娘って誰のことです?』
「ぅぐっ…………おいA。乱歩さんに会ったら……謝っておけ」
『……らんぽさん』
「……お前のことを誰より心配していたからな」
カチャリと眼鏡を押し上げる国木田さん。素直なのか素直じゃないのか……。
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みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時:2018年4月3日 19時