ポートマフィアの悪魔が天使に懐かれました。【文豪ストレイドッグス】【合作】☆天使ver.

友達探し１７日目 ページ18

「否なんなの？何で逢引なの？つーかアタシ女なんだけど？？」

「ありゃ、女の子だったかぁ」

「ブチ殺すぞてめぇ」


名探偵が頭を掻けば悪魔は明らかな殺気を飛ばした。こわい。


「まあまあ。……あ、そうだ。彼の子がどんな場所を気に入ってるか教えてあげようか？」

「……一応聞こうか」

「僕の膝の上！」

「オイマジで殺すぞ！！！！！」

「んもう、冗談が通じないなぁ。そうだね……水族館とか動物園とかかな。新美ちゃん動物好きだし……」


其処でピタリと言葉を切り、乱歩は桜庭の方をじっと見た。何だと云いたげな桜庭の顔を見て、それに、と続ける。


「……君も楽しめると思うし？」

「……如何してアタシが？」

「や、だって君動物好きなんでしょ？」

「何で知ってんの！？！？」

「新美ちゃんに聞いた」


あんチビ助……！！！と桜庭は新美にヘイトを溜める。哀れなりにーちゃん。


「じゃ、宜しくー」

「ちょッ、か、勝手過ぎ…………ああぁ……」


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翌日。

探偵社の入ったビルディングの前で、桜庭と新美は待ち合わせをしていた。


『……ごん。桜庭ちゃん、遅いねえ……』


ごんと呼ばれた狐はこくっと頷く。新美は珍しくキャスケット帽を被って桜庭の到着を待っていた。周りからは完全に「友達と待ち合わせをして居る小学生」の目で見られている。かわいい。

と、其処に中島敦が現れた。
新美は「あつしさーん」と声をかけようとしたが、彼の焦ったような表情に思わずそれを止めた。……何か、あったのだろうか。


『…………そう云えば』


…………最近とある事件が頻発している、と小耳に挟んだことがある。それは路地裏で異能者が夜襲を受けるといったようなもので、既に何人か死者も出ているらしい。


『……敦さんがあんな表情で探偵社に来るって事は、社員の誰かが其れにやられたって事かな……？でも誰が……？鏡花さん？国木田さん？……太宰さん……は無いかな。名探偵さんも……』


何時もの癖でぶつぶつと独り言を云い、新美は推測を重ねる。周りの目は当然のように気にしない。


『…………若しかして、福沢社長……？……うん、マフィアの首領さんも敵襲を受けてるなら有り得るかな。だとすると敵さんの狙いは……探偵社とマフィアを…………』

「……聞こえてるか、新美」

『ひゃいっ！？！？……なぁんだ、桜庭ちゃんですかぁ……』

「なぁんだって何だよなぁんだって」

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