友達探し26日目 ページ28
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『お待たせしました、桜庭ちゃん。体調は如何ですか?』
「遅ぇぞ新美。体調は最悪だ」
『ふふ。お口の悪さは絶好調ですね?』
「……まーな」
喫茶うずまきの扉の前で、私と桜庭ちゃんは再会した。桜庭ちゃんはなんと寝間着で、余程急いで来たんだろうということが判る。
___意識を失う直前に、私は桜庭ちゃんの手の中に小さいメモを握らせた。
運良くそのメモは誰にも見られることなく、桜庭ちゃんだけがそのメモを見ることができたみたいだった。よかったよかった。見られたら面倒臭い事になるもんね。
「で?何するつもりよ、『落ち着いたら喫茶うずまきに来て』なんてメモ握らせといて」
『決まってるじゃないですか。推理するんですよ、今の状況を』
「推理?」
桜庭ちゃんに教えたいことがあった。
其れが私の【推理】。此処にくるまでにごんと推理し合っていたのはこの為だ。
『一旦整理してみましょう。私と桜庭ちゃん、福沢社長と首領さんは共喰いのウイルスを盛られて、何方かを殺せば何方かは助かるという状況にいますね?』
「……そうだな」
『そして探偵社とマフィアは衝突。互いのトップと私達を賭けて全面戦争中です。罪な女ですよねえ、私達も』
えへへと笑ったら「早く続けろ」と見事に無視された。流石桜庭ちゃん。
『はぁい。……そして今、社長と首領はきっと二人で戦って、この総力戦に終止符を打とうとしているんでしょう。正直社長が勝つと思います。武に関しては国内最強クラスですから』
「…お宅の社長が勝ったら、如何なるんだ?」
『社長が勝つということは首領が死ぬということ。そして首領を失えばマフィアは制御不能になるでしょう。詰まり私達探偵社側がボッコボコにやられてしまいます』
「だろうな……」
『其れを怖れた首領さんは……』
「社長サンを殺す?」
『でしょうね。……ま、死なないでしょうけど』
「は?」
『恐らく死にませんよ、社長も首領も。鼠如きに潰される組織ではないでしょう?』
マフィアも、探偵社も。
そう云えば、桜庭ちゃんはむむうと唸った。当然だ。だって私の考えていることは
「……おい、がきんちょ」
『はい?(ゴゴゴ…)』
「…あ、すまん。新美」
『……わたし、これでも一応二十二歳なんですからね?』
「へー、にじゅ………はいっ??」
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みず(プロフ) - 即直してきました。完璧です(ドヤ顔) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» ふひゃああああああぁああああ!!!!やっちまったぜスライディング土下座ーーーー!!!!(ズザアアアアアアアアアア) (2018年9月22日 22時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - いやみずちゃーん!かなり前にも言ったが“弁別”よ!!不覚にも吹いたその二よ!!!← (2018年9月22日 22時) (レス) id: be7752c821 (このIDを非表示/違反報告)
みず(プロフ) - ゆあさん» 与謝野先生の解体ショー(?)、新美ちゃんは未だ受けてないらしいです。 (2018年8月29日 15時) (レス) id: 40c42479fe (このIDを非表示/違反報告)
ゆあ(プロフ) - 大丈夫だ桜庭ちゃん。皆、これを経験して大人になるんだよ(`・ω・)bグッ! (2018年8月29日 13時) (レス) id: 2d3bbb4ab3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みず | 作者ホームページ:http://twpf.jp/uranai_mizu
作成日時:2018年4月3日 19時