27話 ページ28
｢お前また…！｣
｢助けてぇ…｣
映司さんが私をつれて来たアンクを見たとき、ヤミーに寄生された男の人がお店のガラスを割って出てきた。
さっきよりも膨らんでいる気がする。
｢そろそろ寄生しているのも限界だな｣
じゃあ、またあの猫っぽいのが出てくるのだろう
きっと映司さんのことだから、人間に寄生したままじゃ攻撃できなくて困るだろう。
だが予想は外れた。
セルメダルが男の人を包んで、そのままヤミーになってしまった。
｢さっきは出てきてたのに、なんで…｣
｢欲望に飲み込まれたってことだ｣
アンクは至って冷静に状況説明をする。
｢あの醜さが人間の本性だ。あんなのに助ける価値があると思うのか？｣
それは私にも向けた言葉なのだろう。
私は今、あれを醜いと思っているのだろうか。
わからない。
｢人の価値は俺が決めることじゃない！｣
戸惑う私の思考を遮って、映司さんはアンクにそう言う。
｢俺は決めるぞ。価値無しとみたらすぐにお前を捨てる｣
まるでお前もだと言うように、アンクは私をちらりと見た。
｢俺はお前の隙を見つけて比奈ちゃんのお兄さんを助ける｣
睨み合う映司さんとアンク。
｢お前を倒しても！｣
｢やれたら誉めてやる｣
アンクはそう言って映司さんにメダルを投げる。
｢変身！！｣
タカ！トラ！バッタ！
タットッバッ！タトバ、タットッバ！
剣を構えてグリードへと突っ込んでいく映司さんだが、脂肪のようなものに攻撃を跳ね返されてダメージを与えられない。
｢もっと深く斬り込め！｣
私をつれて本来座るようなところではない場所で高みの見物を決め込んで、映司さんに指示を与える。
｢アンク！怪我人になんて場所に来させてんの…！｣
落ちたら怪我の悪化だけじゃ済まないだろう。
｢でもそんなことしたら中の人が！｣
映司さんはヤミーへの攻撃を躊躇う。
｢片手で登れるのなら大丈夫だろ｣
アンクはそう言うものの、ひょいひょい危なげもなく登っていくアンクの後を追うのは大変だった。
何せ片手を掴まれて引っ張られているのだ。
速いわ痛いわ重心はとれないわで散々だった。
｢掴まれてて痛いの我慢しながら片手で登ってるんですけど…！｣
せっかく直した包帯がまたほどけかけている。
｢そうか、セルを押し退ければ！｣
映司さんの声が聞こえてそっちを見る。
中の男の人がメダルの隙間から少しだけ見えたが、またすぐにメダルが集まって見えなくなっていく。
｢なるほどなぁ｣
アンクがさっきカザリから奪ったチーターのコアメダルを取り出した。
｢映司、さっきとったこいつを使ってみろ！｣
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ゆきみだいふく - ザヨコー (2018年5月24日 20時) (
レス) id: 45dbd6a8fa (このIDを非表示/違反報告)
デリート(プロフ) - 藍澤 水希さん» ありがとうございます。自分でも一期と二期、しかも小説まで混ぜるという無茶苦茶の意味がわからなくなってきていたので、喜んでいただけたのなら安心しました。 (2018年2月12日 23時) (レス) id: 4a5d5c82f4 (このIDを非表示/違反報告)
藍澤 水希(プロフ) - 剣もオーズもすごく好きなので私に凄く嬉しい作品でした……！！書き方もお上手ですし、小説版の話を入れているのもとても良いと思います！更新頑張ってください！ (2018年2月12日 23時) (レス) id: 7b0e10bb72 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：デリート | 作成日時：2018年1月31日 22時
