毒 ページ3
「だ、大丈夫?ラドルクン。」
「なんかごめん……ヴィルさんも会議あるならそっちを優先してもらって大丈夫で……」
「何か、言ったかしら?」
「ナンデモゴザイマセン。」
ヴィル先輩に睨まれた僕はすぐに口を閉じた
昔からそうだけどやっぱりおっかないな……
「それで、どうしたの。」
「えっと、実は最近寝つきが悪くて……」
「私が渡してるスムージーは毎日ちゃんと飲んでるんでしょうね?」
「勿論です!」
「ならそうそうありえない筈だけど……」
「一応原因はわかってるんです。」
そう言って僕は薬のメモを見せた
「少し事情があって服用してる薬なんですけど、最近ちょっと飲む機会が多くて。その魔法薬の中に眠れなくなる成分が入っててそのせいで眠れないと思うんですけど、何か別の材料で代替できないかと思って魔法薬学に詳しいヴィル先輩に相談したくて今日は来たんです……けど……」
話してる途中チラとヴィル先輩を見ると何故かフルフルと体を震わせていた
あれ、なんだろう。
なんだかすごく嫌な予感が……
「……ラドル。」
「は、はい。」
「今すぐこの薬飲むのやめなさい。」
「……ぇ?」
思わず変な声が出てしまった
駄目だ
それがなかったら契約の仕事に支障が出るしランドールがでてきてしまう
「そ、それは困るんですよ!詳しくは言えないんですけど持病を抑えてくれる薬で……」
「何言ってるの馬鹿!これが薬?ほぼ毒よこんなもの!」
「ど、毒!?そんなはずありませんよ!だってこれは寮長から渡されたものですし、それに現によく効いてて症状も出なくな……!」
バチンッ
(え?)
思わぬ衝撃に体が宙に浮いたように感じる
何が、起きて……?
目をやると悲しそうな、怒ったようなヴィル先輩
それを認識すると同時に僕の体は床に叩きつけられた
「あんたって子は!自分がどういう状態なのかわからないの!?」
「落ち着くんだヴィル!」
「ヴィルサン!」
頬が熱い
口の中が切れたのか血の味がする
そして今に至る
ヴィル先輩は息を荒くしながら顔を真っ赤にして言った
「これは魂を薄くする薬よ!眠れてない気がするのは体と魂の繋がりが薄くなっているから……このままこれを飲み続ければあんたの自我は完全に消え去って死んだも同然になる!こんなのを飲み続けるなんて自 殺行為に他ならないわ!」
「え?」
初めて聞いたそれに僕はゾッとした
寮長はどういう作用なのかはハッキリと言ってはくれなかった
ただ魂解離症の症状を抑えてくれる薬とだけしか
まさかそんな危険な物だったなんて想像だにしていなかった
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あんかけうどん(プロフ) - タイミーさん» ありがとうございます!ファンアート大歓迎でございます!ぜひぜひ描いてくださいまし! (6月20日 23時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 後失礼ながら私ラドル君の見た目とても気に入ってしまったので描いても良いですか?ダメでしたらすみません💦 (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
タイミー(プロフ) - 最新話まで追いつきました‼︎続きとても気になります‼︎無理せずに頑張って下さい(*´∀`*) (6月20日 23時) (レス) id: 908dc4d734 (このIDを非表示/違反報告)
あんかけうどん(プロフ) - TRIXIEさん» ありがとうございます!これからどんどん転落していくのでかわいそかわいいラドルくんをどうぞよろしくお願いします! (5月28日 15時) (レス) id: 8768b9e08b (このIDを非表示/違反報告)
TRIXIE - 続きが出ている...!有難うございます!貴方様の動かすランドールと夢主が大好きです! (5月28日 14時) (レス) @page15 id: 2c398aa4dc (このIDを非表示/違反報告)
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