蛇の僕と獅子の君。Part 3【ハーマイオニー・グレンジャー】 (ページ46)

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「……あれ、犬だ」

大きな、それは大きな犬を見つければ、そう呟いてしまうのも、仕方がないと思う。そういえば、グリムがなんだとポッターたちが騒いでいたなと思い出して、僕のその犬に近づく。
犬は昔から好きだった。なんとなく大きなな犬も飼ったことないのに、懐かしくなる。近づいていくと、その犬もこちらにゆっくりと近づいて来た。

「おて」

そう言えば、犬は僕の手にそれを置く。僕は嬉しくなって、その犬をガシガシと撫でた。

「お前、偉いなぁ。痩せてるけど、ご主人様は食べ物をくれないのか？明日、チキンを持ってこようか……犬にチキンっていいのかなあ」

首を傾げれば、犬は嬉しそうにしっぽを振る。僕はもう一度犬を撫でて、明日絶対持ってくるな、と囁いた。

「うわぁ、肉球大きいな」

フニフニと肉球を触れば、犬は満足げに吠えた。ぎゅーっと抱きしめて、顔を埋めれば、ふと、なんとなく悲しい気持ちになる。

「……なんだろ、お前。なんか、」

込み上げてくる何かか逃げるように、僕は顔を上げて、犬に微笑む。もう一度彼の頭を撫でて、すっくと立ち上がった。

「じゃあね」

去って行ったAの後ろで、犬がくーんと悲しげに鳴いた。