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134限目 ページ43
「私はね、A」
静かに、ハーマイオニーは口を開いた。その視線はまっすぐと、先ほどまで読んでいたページに落ちている。
「なあに？」
そう問いかけると、彼女は視線をあげて、ジッと僕の瞳を見つめた。
「あなたの力になりたいの」
「……え？」
相変わらずの予想外の言葉に、僕はぽかんと口を開ける。彼女は続けた。
「私、本当にあなたに感謝しているのよ。私に友達ができたのは、あなたのおかげだと思ってるの」
「……そんなこと」
「そうなのよ。私はあなたのこと、とっても仲のいい友達だと思ってる。だからこそ、困ってることがあったら相談してほしい。力になりたい。そう思うにって、おかしいことかしら？」
悲しげな顔をするハーマイオニーに、僕は内心焦る。彼女に、相談するほどの話ではないのだ。いや、事の重大さで言えば、生まれてこのかた友達という友達ができなかった僕にとって、最高級レベルで大きい話なのだけれど、誰彼構わずは相談することじゃない。ましてや、好きな人になんて。
「えっと、そんなに対したことじゃないよ。ほら、今年は一年中そんな噂が流れてるし」
そう言えば、忘れかけていた、もう一つの重大な悩みを取り出して、僕は彼女に微笑んだ。
「それに、君は僕の力になってるよ。十分すぎるくらいに。前に言ってくれたでしょう？たとえシリウス・ブラックの息子でも、僕と友達でいてくれるって。それがすごく、嬉しかったから」
そういえば、彼女は少しだけ照れたように笑う。
「それならいいんだけど」
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月13日 9時
