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「やあ、みんな」
はじめての闇の魔術に対する防衛術の授業。ルーピン先生が、僕らに挨拶をした。汽 車で出会った時と変わらず彼に格好はみすぼらしかったが、あの時よりはいくらか健康的だと思う。
「教科書はカバンに戻してもらおうかな。今日は実地練習をすることにしようl杖だけあればいいよ」
「実地訓練？」
僕は小さく呟いた。なんとなく、去年のロックハートの授業を思い出して身震いをする。このルーピン先生がまともでないのは、服装だけでありますように。心の底から願った。
「よし、それじゃ、わたしについておいで」
そして教室を出て、誰もいない廊下を通り、角を曲がって職員室に入る。職員室にはスネイプ先生がたった一人いるだけで、他に誰もいなかった。彼はルーピン先生を睨んで、職員室を後にする。
何かいざこざでもあったのだろうか、そう思ってもそこまで興味がなかったため、僕はルーピン先生の方を見た。
と、ルーピン先生とバチっと目があって、彼はウィンクをする。少し気まずくなって、僕は目をそらした。なんとなく、ルーピンのことを昔から知っている気がするのは、多分気のせいだろう。だってここ最近の噂では彼はグリフィンドール贔屓らしいから。
「さあ、それじゃ」
ルーピン先生は僕らに教室の奥まで来るようにと指示し、古ダンスの前に立った。その瞬間箪笥がガタガタと大きな音を立てて、それでもって奥からバーン！と大きな音がした。
「心配しなくていい」
ルーピン先生は朗らかに笑って、つづける。
「中に真似妖怪__ボガートがいるんだ。ポガートは暗くて狭いところを好む。洋箪笥、ベッドの下の隙間、流し台の食器棚など__わたしは一度大きな時計塔の中に引っかかっているやつに出会ったことがある。ここにいるのは昨日の午後に入り込んだやつで、三年生の実習に使いたいから、先生方にそのまま放っておいていただきたいと、校長先生にお願いしたんですよ」
「それでは最初の質問ですが、真似妖怪のポガートとはなんでしょう」
彼は教室を見渡したが、誰も手をあげるものはいなかった。ルーピン先生は困ったよう微笑んで、そして一人の生徒を名指しする。その僕の隣にいた生徒は、すごく嫌そうな顔をして、小さく唸った。
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作者名：あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ：
作成日時：2019年5月13日 9時
