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「……ハーマイオニー、ごめん!」
僕のそう叫んで、彼女の前にすべり出た。「昼」との約束だったというのに、時間はとっくに夕方。一日中スネイプに捕まっていて、しかもスリザリン生である僕には、彼女に遅れるということを伝えることができなかった。
ハーマイオニーはギロッとこちらをにらんで、そして口を開く。
「もう夕方なのだけれど?」
「……う、うん。ごめん」
彼女の瞳から思わず目をそらし、僕は下を向く。不機嫌そうに、ハーマイオニーはフンッと鼻を鳴らした。
「まあいいわ」
そんな言葉に、バッと顔をあげる。彼女はフッと微笑んで、傍にあるホグワーツの歴史を持ち上げた。そうだ、僕らはこれを読むために、ここであっているんだった。
「A、ホグワーツの歴史が何ページからだったか覚えてる?暗くなる前に早く読んじゃいましょう?」
「179ページだったよね。今日はどんな新しい知識が増えるんだろう」
そう言って彼女の隣に座って、本を覗き込む。ふわりとした彼女の匂いに、気づかれぬように赤くなった頬を隠すような体勢で、僕は彼女の言葉に聞き入っていた。
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作者名:あんころころもち x他1人 | 作者ホームページ:
作成日時:2019年5月13日 9時