そのよん。 ページ4
マクゴナガルという先生が去ってから数分。先ほどまで少しだけ静かだったこの一年生だけのホールは、いつの間にやらガヤガヤとうるさくなっていた。
「いよいよ組み分けよ。やっぱりダメ、心臓がドキドキうるさいの」
「大丈夫。あんたなら絶対に入れるわよ」
「そうね、そうよね。大丈夫よ」
先程からダフネに言い聞かせているモリーの声を聞きながら、私は状況を整理する。正直、緊張なんかはあまりない。緊張をするほどにこの世界を知らないのだ。
私の名前は「パンジー・パーキンソン」。
たぶんハリーポッターの世界へとやってきたのだ。成り代わりというやつだろう。ほっぺはつねってみたけれど痛かったから、多分夢じゃない。自分の意思通りに動けているし、いやに鮮明だ。ハリポタの世界は私はあまりにも知らないのだから。
友人はダフネとモリー。苗字は不明。ダフネはお上品なお姉さんタイプの女の子で、言葉遣いがとても綺麗。モリーは無愛想でダフネよりは上品ではないけれど、所々いいトコのお嬢さんのにおいがプンプンするからその通りなんだろう。
“この子”はドラコという子が好きだったらしく、それはもう強引なことをしていたらしい。ドラコはすごいお金持ちの子だということだけは理解した。
そんなもの。
一時の情報量としては多すぎるけれど、これから過ごしていくとなればあまりにも少ない。
「はぁ」
「行くわよ、パンジー」
「何ぼやぼやしてるの」
「えっ」
いつのまにか先生は来ていたようで、前の子は進み始めていた。二人に背中を押されるままに、私は大広間へと足を踏み出す。
__そのとたん。
一斉に多くの目がこちらを見た。刺さるようなその視線に、先ほどまで感じなかった不安が襲って来る。鈍っていた頭が活発に動いて、先ほどまで無視していた心配事が頭の中を駆け巡った。
ここに来て、家に帰ることはできるのか、パパやママに、また会えるの、大切な友人だっていた、兄弟だって。この世界で、自分が死なない保証はどこにあるの。
出そうになった涙を必死に抑えて、私は見られないように顔を地面に向けて前の子の背中を追った。不安で不安でたまらない。
「パンジー、大丈夫？具合が悪いのだったら、先生に伝えるわよ」
「……大丈夫」
目立ちたくないから、心の奥底になんとか抑え込む。
二人がしているようになんとか前を向いて、とにかく、感情を表に出さないように頑張った。
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あんころころもち@多忙(プロフ) - 星さん» コメントありがとうございます❤️ 等身大の女の子が作りたい〜って思って作ったので、そう言っていただけるとすごく嬉しいです！ すごくゆっくり更新ではありますが、精一杯頑張ります！ (2023年2月13日 13時) (
レス) id: 54c52f82c3 (このIDを非表示/違反報告)
星 - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！ (2023年2月4日 17時) (レス) id: 5b6bab53ae (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち(プロフ) - るるさん» わ〜嬉しいです！正直題名が安易で面白くなさげかな〜と思っていたので、そう言っていただけるとテンションが上がります！💕💕更新は遅くなってしまうとは思いますが、精一杯頑張りますので、ぜひよろしくお願いします！ (2022年1月9日 13時) (レス) id: e3a1ddbb66 (このIDを非表示/違反報告)
るる - すごく面白そうと思いひらいてみたら自分好みの作品でした！この作品に出会えて良かったです！😍 これからも頑張ってください😊😊 (2022年1月7日 22時) (レス) @page15 id: 9de77796a7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2021年7月21日 11時
