-Side M- ページ45
「むっかつくわね」
イライラしながら私は言った。そうすれば、プルウェットも同意するように肩をすくめた。
「なんでこの私がこんな、雑用しないといけないの」
「あの時やりすぎたからでしょ」
「一週間に一度の校内での雑用なんて……、本当に私のことを誰だと思ってるの」
「仕方ないじゃん」
「うるさいね！さっきから。もう！」
新学期が始まって、私たちが言い渡されたのは、三ヶ月の罰則。土曜日に1時間、校内を掃除するというもの。お優しいマリアは、私たちに付き合って掃除をしてくれている。
去年、ポッターたちと派手に喧嘩した際に、やりすぎたのだ。ただ負けたくなかったのだ。プライドを、優先してしまった。
「そういえば、一学年上の……確か、ギボン？と付き合ったって聞いたけど」
「ああ別れたわ」
「えっはや。さすが」
「は？」
プルウェットの言葉に、イラッとしてそう返す。
後期は終わる前に、確かに私はウィリーと交際を始めた。しかし付き合ってみれば大変なクソ野郎で、夏休みが終わる前には縁を切ったのだ。
誕生日プレゼントが雨のおかげで1日ずれたくらいで激怒されたことは一生忘れない。
「あの日だって、ウィリーったらグリフィンドールの低学年からお金を取ってたんですって。そんな男クソ喰らえよ」
ふん、と鼻を鳴らす。そうするとプルウェットは、意外だとばかりに口を開けた。
「失礼ね」
「そういうの、あるんだ」
「当たり前でしょ。私、弱いものいじめする奴が一番嫌いなの」
「してるじゃん。いつも」
「自分より弱い奴にはしないわよ」
「ふーん……」
「マギーは、優しいものね」
「そうなの」
「謙遜しろよ」
「あら、逆に失礼でしょ」
へ、と舌を突き出すプルウェット。
さて私たちは、残りの40分で、真面目に大鍋ふきを再開させるのだった。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年8月7日 0時
