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「フラン。あまりマリアを困らせてはダメよ」
お母様の声は優しい。繋いだ手をひっぱらってて、思わず視線を上に上げれば、優しい笑顔のお母様がこちらを見ていた。
「……はあい」
「優しい子ね」
お母様、だいすき。
悲しくなって、でもとっても嬉しくて、わたしはつないだ手を握り返した。
「あのね、おかあさま」
「なあに」
「だいすき」
「お母様も、あなたが大好きよ」
優しくって綺麗なおかあさま。
お母様の笑顔が大好き。いつも疲れた顔をされている。いつもわたしを見て、悲しい目をされる。いつも私を見て、苦しい顔をされる。
だから、だからね、
わたし、お母様が笑顔になるなら、なんだってしたいのよ。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年8月7日 0時
