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「はぁあ」
思わず、大きなため息。そうすれば、隣を歩いていたマリアが心配そうに私を覗き込む。
「マギー、どうかしたの？」
また、時間が経ってクリスマスの少し前。私はマリアと連れ立って歩いていた。
「なーんにもないわ。ムカつくあの女とチームワークだなんて絶望的って思ってただけだもの」
「まあ」
この女も、変な女だと思う。
いや、マリアのことは大好きなのだけれど、そう思わずにはいられない。八方美人の博愛主義者。どこにも敵を作らないまるで天使のような人。
「マリアって、怒ったことあるの？」
興味本位で聞いてみる。特にそこまで大きな興味はないのだけれど。
「あら、どうして？」
「気になっただけよ。失礼な一年が生意気な口をきいても、怒らないでしょう？クソみたいな6年がクソみたいなことを言っても怒らない。どうしてかしらって思っただけ」
「口が悪いわ、マギー」
「あの女のがうつったのね」
練習を何度も行い、チームワークというものが壊滅的なあいつに何故か私が教えろと先輩に言われ、週に5日、一日3期間もつきっきりなのだから移っても仕方がない。
そうすれば、マリアはやっぱり笑って肩をすくめた。
「怒るほどのことじゃないもの。それに、最後にはちゃんと仲良くなれるわ」
「そうかしら。私あんなことを言われたら泣いて先生に言いつけちゃう」
「ふふ、マギーったら」
「あら本当よ？スラグボーンだなんて優秀な生徒の涙には弱いでしょう？」
「そうね」
彼女の笑顔を見れば、なんとなく嬉しくなる。声を出して笑う姿を見れば、少しだけ安心する。何故だか、わからないけれど。
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2020年8月7日 0時
