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そんなことを考えているうちに、タンスの扉がゆっくりと開いた。
──え ?
思わず開いた口から、音は漏れなかった。それほどに、僕は驚いたんだもの。
そして僕はすぐに後悔した。早く逃げていればよかったと。
「……っ」
息が漏れた。心臓がぎゅっと逃げられるように苦しくて、唇が震える。
クローゼットから出てきたのは、シリウス・ブラック。僕に向かってニコニコと優しい笑みを浮かべて、こちらに歩いてくる。
「ケフェウス。お前は頑張っているよ」
思わず後ずさった。なぜ、どうして、この人が。昨年、亡くなったはずなのに。なぜ、頭の中がその言葉でいっぱいになる。
なぜ、笑っているの。なぜ、僕にそんな言葉を向けて来るの。一体、僕のなにを知っているというの。
「だから、もう大丈夫。全てを忘れてこの父と、お前のパパと一緒においで」
「リディクラス！」
とっさに杖を取り出して、叫ぶ。あればポガートであることが、僕にだってわかった。こんなもの、こんなもの、怖くなんてない。だけれど、意思には反し、体はガタガタと震えている。なんでこの人は、
なぜあの人は笑っているんだ。どうして僕にそんな優しい笑みを向けるのか。ぐるぐると黒く渦巻くポガートから、視線を地面に落とす。感情の処理が追い付かない。
「ケフェウス。君ってやつは最低だ」
その声を聴いて、僕はまた顔を上げる。そこには、冷たい顔をしたセオドールが僕を見下していた。
「純血主義と名乗りながら、あんな穢れた血と関わるなんて……君は本当に」
「り、リディクラス！」
その続きを聞くのが恐ろしくて、僕は必至で呪文を唱える。杖を持つ手が異常に震えていた。
「ねえ、ケフェウス。一緒に逃げましょう？ お願い、私のためにすべてを捨ててちょうだい」
今度はハーマイオニーが優しく微笑んだ。僕のすべてを揺るがす恐ろしい目。僕の大好きな目。僕の決意を、覆す力のある目だ。
「あなたのこと、大嫌いよ。もう二度と私たちの前に現れないで。この血をうら＿＿」
ダフネの軽蔑の視線。
「もう、休んでしまったら？ 僕は今までずっと頑張ってきたじゃないか」
僕が言った。憐れむように、僕自身の肩に手を置く。その手が異常なくらい冷たくて、気持ち悪い。だけれどその気持ち悪い手に、すがりたくてたまらない。だって、僕はずっと、ずっと、
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あんころころもち@多忙(プロフ) - さくら。さん» コメントありがとうございます🫶そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！！亀更新にはなりますが、よろしくお願いします！ (2月1日 15時) (
レス) @page17 id: 45eb699a28 (このIDを非表示/違反報告)
さくら。(プロフ) - あんころころもち@多忙さん» 更新楽しみにしてました！！あのですがマニ。の妹です、姉と会話してるボードの方とかでも仲良くしてくれてありがとうございます！これからもマニ。を宜しくお願い致します！これからもファンとして応援しまくります📣、あんころころもちさん！☺️ (1月31日 7時) (レス) id: c4b8377817 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - あさりさん» わー！嬉しい❤️ そう言っていただけたら、頑張って書いた甲斐があります！ 今現在非常に多忙ゆえに色々できていないのですが、この多忙期間が終われば、更新ができればなあと思います！改めて、ありがとうございました！ (5月11日 8時) (レス) id: 3acb9dc229 (このIDを非表示/違反報告)
あさり - 更新ありがとうございます！いつもワクワクしながら読んでいます<3たまに読み返すのですが本当にいい作品だなっと思っています。お忙しいと思いますが、体に気をつけてこれからも頑張ってください！長文失礼しました〜 (5月2日 16時) (レス) @page13 id: 3010b0fc17 (このIDを非表示/違反報告)
あんころころもち@多忙(プロフ) - セドリック推しぃさん» 返信が遅くなってすみません。セドリック推し！いいですね。セドイケメンですもんね！この話を終わらすのかなーり時間がかかってしまうと思うのですが、検討します！コメントありがとうございました🫶 (2023年2月8日 1時) (レス) id: 54c52f82c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんころころもち | 作者ホームページ：
作成日時：2023年1月24日 19時
