黒バス短篇集＊ハナミズキ＊

高尾和成＊お祝い ページ21

【高尾目線】




あと数時間で俺の誕生日が終わる頃
自分のスマホにチラチラ目をやってはため息を繰り返していた





高尾「あーもー、落ち着かねぇ…！」





今日は朝から色んな人に祝ってもらった
母さん、父さん、妹ちゃん
バスケ部の先輩達に真ちゃんも
(何故か中谷監督まで祝ってくれた)
それでも嬉しかったのに




高尾(あいつからなんでなんも来ねぇんだよ!!)





あいつとはいわゆる幼馴染で隣に住んでるA
一応…俺が好きなやつ
昔からよく祝ってくれたのに、今年に限ってなんも言ってこない
こんな…こんなに悶々としたのはいつ以来だっけ？
なんて考えていてもしょうがない





ピロン♪




通知音にガタンと音をたててスマホに飛びつく
我ながら単純だなとか思うけど仕方ないじゃん？
これで別な通知だったら俺泣く自信あるわ

液晶にはただ一言、『ベランダに出て？』




窓の向こうには隣の家のベランダにいる人影
ガラガラと窓を開けて一歩進む




A「誕生日おめでと、和成」
高尾「おせぇよバカ」




ちょっと肌寒い空の下、住宅街に笑い声が響いた

黄瀬涼太＊すれ違う想いは→←火神大我＊待ってる人

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す