【アニメ】個人的な書きたかったシチュやジャンルを書きまくる短編集

14.オリジナル・何も言わない子・ゾッとする話 ページ46

私はよく見下されていた。


「貴方って、本当に何も出来ないのね。」

「君には気遣いという概念が存在しているのかい？」

「何もかもが遅い。君はイラつかせる才能があるよ。」

そう、眉間にしわが寄った顔をしてよく近所の幼馴染や
年がそれなりに近い親戚に言われていた。


長年の事なので感覚がマヒしていたのだろうか？
そんな、自分のことを卑下する目線や物言いに対して、
何とも思わなくなったし、幼少期のころは親が
苦い顔をして私のことをみるのでこちらも苦笑いを返していたが
それもなくなり、いつしか人に気を使うのをやめていた。


そうすると不思議なもので自然な、気を抜いた自分が
出せるようになり徐々に学校でも居やすくなった。
周りを気にしていたせいか、
自分が良くわからなかったのかもしれない。


「ねえ、Aってさ、一緒にいると

気が楽で、貴方が好きよ。」


他愛ない、おしゃべりのはずだった。
それなのに彼女は思い出したかのように
私をほめてきた。
その言葉はそれなりに面食らってしまったので
野暮とは思ったが聞き返してしまった。


「な、なにさいきなり。」

「うんんー？

ただ、いじめられっ子だった私が友だちと

一緒にこんな、他愛ないことで何分も居られるなんて

あの頃は考えられなっかたなぁー、って思ってね。」


あの頃、がどの時期を表しているのかはわからなかったが、
意地の悪い男子から弁当を捨てられて
泣いていたあの頃に比べると少しましな環境だとは思う。


捨てた側の足のすねを思いっきり蹴って
土下座まがいの事をさせたのはいい思い出だな。


「それに他人の悪口とかも言わないし、

誰でも平等に扱う。凄く美点だと思うよ。」




ーーーーーー
そんな会話を友達とした帰り道、
自分の家が見えてきたと思うと
見慣れない車がうちの前を陣取っていた。


「あれ、Aじゃん。」


車から颯爽と表れてきたのは、
美丈夫・・・もとい従兄だ。


「神楽お兄さんが、なぜここに？」

「いやぁ、明菜のやつがちょーど留学から帰ってきててな。

いま挨拶回りしてるんだ。ほら、食うか？」

差し出されたチョコを食べながら、
明菜のことを考えていた。
あの子は昔、私によく突っかかっていたこ。


あの子は前から嫌いで仕方なかった。

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