【アニメ】個人的な書きたかったシチュやジャンルを書きまくる短編集

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「な、何を言っているのよ？」

「んー？聞こえなかったの？

だぁかぁらぁ、正義になって、って言ってんの。

一点の曇りもない、誰にでも優しく

人望も厚い、誰がどう見ても善人になってよ。」

そしたら私が助けてあげる、と付け足した。

それを聞いた雅は、瞬間的に思った。





私には、無理だ





「そんな人なんて居るわけないじゃない。」

「え？居るに決まってんじゃん。

天才や超人を求めてる訳じゃない。

ただ人に暴力や暴言を言わないで、

人から信頼されればなんてことないでしょ。

人望っつっても最低限ありゃいいんじゃね？」

どこの物語の主人公だ。

そんな綺麗事出来る訳がない。

あり得ない。

「私は、正義の味方だよ。

一点の曇りもない、清く正しく純真な人の味方。

腹ん中でどうこう考えるまでなら自由だ。

だけど行動に移さなきゃいい。

...あ、因みに言っておくけど私は正義じゃないよ？

ぶっちゃけ言うと悪の方が近いんじゃねーかな。

私は良い子じゃないしさ。

悪だって、悪者だって正義にはなれなくとも

正義の味方くらいにはなれるんだよ？」

少女はほんとうに面白可笑しくクスクスと

口元を隠しながら笑っていた。

なんでもないかのように、ただの世間話かのように。

「...そう」

呆然と雅は少女を見ていた。

呆気にとられている彼女を見て

絶えずニコニコと微笑んでいる少女。

何を考えているのか分からせない態度

真剣見がないおちゃらけた表情。

そんな全体的な雰囲気から愚痴を言って

軽く余り期待せずに助けて貰おうとしている自分が居た雅。

「ぁ、ありがとう。」

「いえいえ？別に〜？」

それはとても価値観が違いすぎた。

スーパーでお菓子を買おうと売り場に行ったら

海外製品という何時も見慣れたサイズの

一回り大きく、業務用の箱で買わされた気分を雅は味わっていた。

「じゃあよろしくねー？一関雅さん？」

音符符号が付くくらいのテンションで返された

彼女は否定も肯定もせずに

ただただ少女を見ていた。




「...別にいつまでもって訳じゃないよ？


私は助けてあげた後は知らない。


偽善者でも悪人でもなんでもなっちゃえば？


でもこの私を使って助けてやるんだからそれ相応のヤツじゃないと許さない。


...ばぁいばい、雅ちゃん？」

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