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〜智side〜
パトカーの姿が見えなくなっても
翔くんは暫くその場から、動けないままでいた
ここから見える大きな背中からは
確かな安心と達成を背負っていて
そしてもう1つは囁かな空虚感
ずっと胸につかえていたものが一気に解放されて
今の彼の表情は、どんな感情にも当てはまらない
そんな気がした。
「…智、？」
「…ん？」
数年ぶりに、隣で聞くこの声も
今はなんだかいつもより感慨深くて
つい返した声が重たくなった。
「ふふ。私、紅羽と先に帰ってるわね？」
「は？何で？」
「どうせ、募る話もあるでしょー？」
"後でメールするわ。"
「おい、ちょっ…美鈴！」
そう言って、美鈴は強引に咲田を連れて
颯爽と歩いて行ってしまった。
あいつ…気ぃ遣ったな？
でもなんだか、昔と全く変わらない
彼女の頼もしい後ろ姿を見て
暫く影を潜めていた胸の奥が小さく灯った
気付けば、足は彼の方へ動いていた。
｢翔くん｣
ゆっくりと、膜が張られた大きな瞳と目が合う。
「っ…！！」
糸が切れた様に
そのまま、大きく震えた身体を
俺は力いっぱい抱き締めた。
「お疲れ様。ほんとに
よく頑張ったな、翔くん」
無理矢理にでも笑ってないと
今すぐ俺も泣いちゃいそうで
俺の目の前で
自分は優しくないとか言ったお前を
今すぐ叱りたいけど
彼の髪に顔を埋めて
涙が溜まりそうな自分の目を無理矢理隠す。
こうして頼ってくれるのはね
勿論いつになっても嬉しいよ
でもね、翔くん
「っし！ほら、顔上げろ！」
「え…、わっ…！？」
今は場所が違うでしょ
ポンポンっと熱が篭った背中を叩いて。
包み込んでいた腕をそっと緩めて
クルッと翔くんの身体を反転させる。
「っ…！！」
んふふ。想像通りの反応。
真っ赤になった目を見開いて。
彼はその視線の先に居る人物を捉えた。
翔くんが戦っている間…
ずっと…ずっと泣いてたんだよ？
でもその涙はきっと____
そっと、俺から離れた身体は
一直線に彼の元へと導かれる。
「っ…和。」
「…はい」
「…行くぞ。」
「…ど…こに？」
「…決まってんだろ？」
"俺等の家に"
「全て…お前に話すよ」
翔くんの頬に残る一筋の涙が
太陽の光を放ち、キラリと反射する。
それはまるで、淡く輝く孤高の硝子の様で
泣きたくなるくらい、綺麗だった。
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星羅*(プロフ) - 花鈴さん» 花鈴さん、こんなに感想ありがとうございます！嬉しすぎてニヤけちゃいました笑 ドラマ化だなんて、恐れ多すぎます！(/ _ ; )でもとても励みになりました！良かったらこれからの展開も見守って頂けると嬉しいです♪ (2018年2月4日 18時) (
レス) id: 2635a28bd5 (このIDを非表示/違反報告)
花鈴 - 星羅さん、こんにちは！！いつも愛読させていただいてます！翔君の和と紅羽の助け方かっこよすぎます！泣 もうこのお話、語彙力と世界観がとても良くてドラマ化か小説化してほしい位好きです♪これからの展開もとても楽しみにしていますね！ (2018年2月4日 18時) (レス) id: b10d68b4c1 (このIDを非表示/違反報告)
星羅*(プロフ) - 祐莉さん» 祐莉さん、コメントありがとうございます！勘が鋭い！！その通りですね。相葉ちゃんは、嘘をついていました。その変の真相もこれから順番に明らかになっていきますので乞うご期待ですね！(´∀｀=) (2018年1月9日 22時) (レス) id: 984f6e7432 (このIDを非表示/違反報告)
祐莉 - いつも楽しく読ませてもらってます。美鈴ちゃんと櫻井君のやりとりには意味があるかなと前から思ってましたが、まさか犯人があの子とは驚きました。でも、そうすると嫌がらせの犯人を見たと言っていた相葉ちゃんは嘘をついたってことかな？ (2018年1月9日 22時) (レス) id: ea9cf53e18 (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃむ - まさかの自作自演！？想像もしていなかった展開に度肝抜かれました！ちょっと翔君の登場かっこよすぎませんかね。（笑）これからの続きがとても楽しみです！！ (2018年1月9日 22時) (レス) id: e8e7665cca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：星羅*
| 作成日時：2017年9月10日 20時
