【ポケモン盾】姉が亡くなった (ページ17)

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16話ページ17

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ヤローさんがボールを投げた。

「(ヤローさんは、去年と同じヒメンカから、これなら…)」

「大活躍だよ、頑張って、フワンテ」

あくまでも優しく丁寧にと思ってボールを投げ、フワンテを出した。

フワンテは私を見て頷き、ヒメンカとヤローさんを真っ直ぐに見据えた。

ジムリーダー戦に備えて、相手よりも早く攻撃する事を目標に鍛えたのだから、きっと大丈夫。

「フワンテ、かぜおこし！」

フワンテはかぜおこしし、それはヒメンカにしっかりと当たった、そして、ヤローさんのヒメンカは倒れた。

途端に、ほんの少しだけ、勇気が湧き、観客からは驚きがもれた。

「うーん、技を出す隙もないんだわ……でも！農業の粘り腰で勝ってみせるんだな！」

きた、ダイマックスだ。

そう直感すると同時に、ヤローさんはワタシラガを出した。

今まで、ダイマックスを生で見たのは過去に1度しかない。

その過去に1度のダイマックスは私にとってトラウマで、もう正直今から、逃げ出したくて仕方なくなるだろう。

でも、だからなんだ。

勝たなくちゃ、勝って、先に進まなきゃ。

自分のダイマックスバンドをさすった。

そして、フワンテを1度ボールに戻らせ、ダイマックスバンドを使う。

大きくなったモンスターボールに声をかけた。

「……大丈夫、絶対……勝とうね…！」

今思えば、その言葉は、自分に向けてでもあったのかもしれない。

ボールを頑張って投げると、フワンテはみるみると大きくなった。

─────その様子に、驚きと、力強さと、そして恐怖を感じる。

「……ね……さ…姉…さん…」

あの時の光景がフラッシュバックする。

ダメだ、ダメだ、ダメだ。

思い出すな、それは引きずり出しても今の状況に使えないのだから。

深く息を吸って、ヤローさんのワタシラガのダイマックスを見届ける。

凄まじい威圧感。

でも、それに勝つ…！

「フワンテ……ダイジェット…！」